【特集:2012年を読む】「総合商社」銘柄の動向(1)~基盤強化で収益拡大基調

2012年1月3日 14:29

■総合商社大手5社は収益基盤を着実に強化

  総合商社大手の伊藤忠商事 <8001> 、丸紅 <8002> 、三井物産 <8031> 、住友商事 <8053> 、三菱商事 <8058> の5社は、収益基盤が着実に強化され、中期的にも収益の拡大基調が予想される。足元の株価水準には割安感が強く、評価不足の印象が強い。

  5社は90年代後半以降、リスク・リターン管理の経営手法を導入した。そして、投資基準や撤退ルールの厳格化によるリスクマネジメントの強化、成長分野の優良資産への入れ替えによる事業ポートフォリオの最適化、川上から川下までのバリューチェーン構築、財務体質の強化などを基本方針として、収益基盤の強化を推進してきた。その成果として、売上総利益の増加だけでなく、受取配当金の増加や持分法投資損益の増加が収益拡大に貢献するなど、収益基盤は着実に強化されてきた。

■直近の業績は好調

  直近の業績も好調である。11年4~9月期の連結純利益は、5社のうち三菱商事 <8058> が前年同期に計上した大口の一過性利益の反動で減益となったが、他の4社は大幅増益となった。伊藤忠商事 <8001> は上期として過去最高益を更新した。

  12年3月期通期の連結純利益見通しについては、11年4~9月期業績発表時に住友商事 <8053> が上方修正し、他の4社は据え置いた。

  しかし、12年3月期通期純利益の会社公表見通しに対する11年4~9月期実績の進捗率を見ると、通期見通しを据え置いた伊藤忠商事 <8001> は2400億円に対して66%、丸紅 <8002> は1700億円に対して61%、三井物産 <8031> は4300億円に対して53%、三菱商事 <8058> は4500億円に対して55%である。いずれも高水準であり、上振れの期待が高まっている。通期見通しを上方修正した住友商事 <8053> は、上方修正後の通期見通し2500億円に対しても61%と高水準であり、再度の増額修正の期待が高まっている。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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