アース製薬、入浴剤大手のバスクリンを約150億円で買収 

2011年12月27日 17:30

 アース製薬は27日、入浴剤大手のバスクリンを買収すると発表した。本日開催された取締役会において、WISE PARTNERS株式会社の運営するファンドが保有するバスクリンの株式及び新株予約権を取得し、子会社化することを決議するとともに、同日株式譲渡契約を締結した。バスクリンの発行済株式の約8割を、約150億円で取得する。株式引渡期日は2012年2月29日の予定。

 バスクリンは、入浴剤「浴剤中将湯」や「バスクリン」を発売するなど、日本の入浴文化をリードする企業として事業を運営してきた入浴剤の最大手。「バスクリン」に加えて、「日本の名湯」シリーズ、「きき湯」、「ソフレ」などの入浴剤製品は、非常に高い認知度を誇っている。また、入浴剤に加えて、育毛剤、洗浄剤など、天然素材を活かした家庭用品の開発・製造・販売を一貫して行ってきた。

 一方、アース製薬は、国内市場においてトップシェアを誇る家庭用殺虫剤をはじめ、オーラルケア製品や芳香剤などを幅広く手掛けるトイレタリーメーカーとして成長を続けている。入浴剤分野においても、昭和39年に「バスロマン」を発売以降、「露天湯めぐり」シリーズ、「温素」、「保湿入浴液ウルモア」など製品ラインナップを拡充し、積極的な取り組みを続けている。

 アース製薬は、バスクリンの買収により、製品ラインナップの補完による入浴剤カテゴリーの強化を図る。また、バスクリンの通販チャネルや今年4月に本格稼働した新工場の生産能力の活用によるシナジーは大きいと考えている。さらに、アース製薬の主力製品であり、夏場が本格商戦の家庭用殺虫剤と、冬場に需要が高まるバスクリンの入浴剤の組み合わせにより季節性の変動を緩和することが可能となることから、アース製薬はバスクリンの買収が同社の企業グループの成長に資すると判断した。

 今後、アース製薬は、WISE PARTNERS株式会社の運営するファンド以外が保有するバスクリンの株式についても取得することを検討しているが、「詳細については今後保有者との間で協議を行う予定」としている。

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