ポール・アレン氏が新会社設立、ジェット機+ロケットで宇宙へ

2011年12月14日 14:15

 マイクロソフト社の共同創業者のポール・アレン氏は12月13日、ストラトローンチ・システムズ(Stratolaunch Systems)社を設立し、ジェットエンジンとロケットエンジンを組み合わせた巨大航空機を開発し、衛星や物資などを地球低軌道に送り込む計画を発表した。

 発表によると、幅約117メートルの翼にボーイング747のエンジンを6基載せた巨大航空機に、長さ約36メートルのロケットを搭載し、空中で打ち上げを行う計画だという。航空機の設計はバート・ルータン氏で、ロケットの開発はスペースX社が担当する。打ち上げできる最大重量は6000キログラム程度。

 ポール・アレン氏は2001年、スケールド・コンポジット社(Scaled Composites)に資金を提供し、バート・ルータン氏らがスペースシップワンを開発した。スペースシップワンは民間有人宇宙船として初めて高度100kmを突破し、2004年にアンサリXプライズを獲得し、ヴァージン・ギャラクティック社(Virgin Galactic)の宇宙旅行(2012年開始予定)に結びついた。

 今回の発表について、ポール・アレン氏は「スペースシップワンの成功後、私は宇宙飛行の次の大きなステップ、つまり、柔軟な打ち上げシステムをずっと夢見ていました。私たちは今、衛星打ち上げ産業の根本を変える幕開けに位置しており、ストラトローンチ・システムズは宇宙旅行において、革新的な解決をもたらすでしょう」と述べている。

 ポール・アレン氏によると、今後、カリフォルニア州モハベ砂漠で格納庫を建設し、早ければ2015年に同航空機による初試験飛行を行い、2016年に初の打ち上げ試験を行う予定だという。

 ■Stratolaunch Systems
http://www.stratolaunch.com/index.html

 ■Stratolaunch Systems, A Paul G. Allen Project
http://www.youtube.com/watch?v=sh29Pm1Rrc0

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