【銘柄診断】DICは今期業績が増益予想から一転、減益見通しへ、戻りも限定

2011年12月6日 10:26

  DIC <4631> は11月24日の117円を底に出直りつつある。3月9日の年初来高値226円から長い調整相場だったが、これは業績の低迷が嫌気されたもの。

  今2012年3月期の中間決算は営業利益が179億3200万円と前年同期比13.8%の減益となった。つれて今3月期通期の見通しも従来の430億円から360億円(前期371億5200万円)へ引き下げられた。

  ニューグラフィックアーツ部門は、TFT液晶が前期後半に液晶テレビの大手メーカーに採用されたことで出荷を急拡大し、インキ用顔料などの落ち込みをカバーして部門全体で増収、大幅増益に。

  一方、主力の印刷インキ部門はアジアでは順調に販売を伸ばしたものの、国内、欧米では印刷需要の減少によるオフセットインキなどの苦戦をパッケージ用グラビアインキの伸びでカバーしきれずに減収となり、原料価格上昇も響いて大幅な減益となった。当初の2ケタ増益予想から一転、通期でも営業利益は減益を避けられない見通しになった。

  配当利回りが3%に達しているだけにもう大きな下げはないと思われるが、業績動向から見る限り、大きな戻りも期待しにくいようだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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