アップルのような大手 IT 企業はこれ以上アメリカには要らない
2011年12月5日 10:00
danceman 曰く、
アップルのような大手 IT 企業が米経済を救えるという楽観論に反論した Henry Blodger 氏の記事が本家 /. で紹介されている (Business Insider の記事、本家 /. 記事) 。
アップルやアマゾン、Google、Facebook といった大企業をもっと作れば、米国の経済が立ち直るだろうとする楽観論がある。つまり、建設及び製造業における余剰労働力を再訓練して IT 業界に送りこむことで、失業問題や不平等問題が解決するだろうという考えである。だが実際のところ、アップルがノースカロライナ州に 10 億ドルを投資して建設した巨大データセンターを例に挙げれば、新しく生まれた雇用はたったの 50 人分だけである。しかも、建設用地の入札を巡ってアップルに破れた企業がもし使用権を得ていたならば数千人分の雇用を創出していたであろうとのこと。地元住民は、巨額をかけて巨大施設を建設したのにほんの少しの雇用しか創出できなかったアップルに対して落胆を募らせている (The Washington Post の記事) 。
氏によれば、この事例は「なぜ米国内で失業問題及び不平等問題が起きているのかを示している」とのこと。「アップルのような IT 企業は、従来の製造業と比較して格段に少ない従業員しか雇わない。また、アップルの従業員数は 6 万人強ではあるものの、それも世界中に広がっており米国内だけの数ではない。アップルのような企業は素晴らしい製品をつくり株主を潤しているが、従来型の大手企業がしてきたように富を広く分配することはない。我々は、アップルや Google、Facebook、Amazon の成功を讃えてもいいが、こういった企業が雇用及び不平等問題を解決してくれると錯覚してはならない」と述べている。
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