【銘柄診断】三菱自動車はまだ利益水準が低いが取組みが拮抗し仕手化の火種も
2011年12月4日 09:12
三菱自動車 <7211> は大震災を契機に一段安に沈んだ後は、あまり戻り場面も見られず、基本的には整理局面を続けている。震災からの生産の復旧が早く販売台数を伸ばすことができたほか、高採算なSUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)を優先的に生産したことが奏功、製品構成も大きく改善した。このため、今2012年3月期の9月中間決算は、営業利益が当初見通しの180億円を大きく上回る342億1900万円(前年同期68億8700万円)の上振れ着地となった。
同社の場合タイでの生産ウェートが高く、大規模洪水の影響が懸念されていたが、11月半ばには生産再開となっており、業績への影響も軽微にとどまる見通しとなってきた。それだけに、中間決算好調にも関わらず据え置かれた今3月期通期の営業利益500億円(前期比24.1%増)の見通しは、早晩修正が必至の抑えた見通しと言える。
ただ、リコール問題などの経営危機時に発行した優先株が普通株に転換されると株数が現在の8割増しに膨れ上がる。まだまだ利益の水準が低く本格的な戻り相場は難しそう。ただ、信用の取組みは1.1倍と拮抗、低位仕手株人気を呼び込む下地はある。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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