震災遺児の進学支援である「みちのく未来基金」が公益法人として認可
2011年12月2日 11:00
東日本大震災で両親またはどちらかの親を亡くした震災遺児の進学を支援するため、カゴメとカルビー、ロート製薬の3社合同で10月に設立した「みちのく未来基金」が1日に公益法人として認可された。
震災遺児に進学の夢を支援する「みちのく未来基金」は、震災によって被災し、両親またはどちらかの親を亡くした子どもたちの進学を支援するため、高校卒業後の進学先で入学から卒業まで必要な入学金、授業料の全額(年間上限300万円)を負担し、返済も不要な奨学基金である。企業合同で取り組む新しい復興支援として、今後25年間、基金を通じ震災遺児の進学の夢を支援し、東北や日本のために貢献できる人材を育成することを目指している。
現在、奨学金への応募者は、当初想定していた給付者数の約2倍となる99名(11月28日)となっており、必要金額は1億1000万円となっている。「みちのく未来基金」では、3社合同の復興支援専任チームが、8月から津波被害を受けた東北3県の高校を中心に約95校を一校一校訪問して基金の概要を説明して回った。その中には、両親を亡くした姉妹もおり、姉は妹の為に一度はあきらめた進学への夢を、この基金の存在で再度志すことになった、という例もあった。
また、宮城県では石巻など沿岸の水産業が破壊したため、高校卒業者の就職先が激減しており、復興し採用が出てくる時にそなえ専門学校で簿記を身につけたいという学生が多いという。そのような中で公益法人として認可され、同基金への寄付が寄付金控除の対象となる「みちのく未来基金」は改めて、東北の、日本の未来を担う子ども達への支援を幅広い企業や個人へ募っていくとしている。