中国のネット工作員を88%の精度で見分けるソフトウェア
2011年11月25日 08:00
あるAnonymous Coward 曰く、 カナダのビクトリア大学で、中国の「ネット工作員」を見分ける研究が行われたそうだ(論文要旨、本家/.)。
中国ではネット上の世論を左右するコメントを投稿することで賃金を得ている人々が存在することが分かっており、インターネットにコメントを溢れさせることから「Internet Water Army」と呼ばれているそうだ。社会的なイベントへの世論を誘導したり、市場を左右したりとその目的は様々であるが、特定の件に関し様々なサイドからこのような活動が行われた際には情報が混乱し、信憑性のある情報が分からなくなってしまうといった状況を生んでしまう。
この研究では研究者ら自身がまずこの「Internet Water Army」として活動し、その仕組みを調査したとのこと。その後中国の大手ウェブポータルサイトSina.com及びSohu.comに寄せられるコメントから、賃金活動による投稿だと考えられるコメントを手作業で選出し、一般ユーザとの違いを分析したとのこと。このような投稿は「コメントへ返信するより新規コメントの投稿頻度の方が多い」、「一つの議論に長居しない」といった傾向が見受けられたとのこと。また、彼らの半数以上は平均2分半に1回という高頻度で投稿を行っており、また同じ内容をコピーして何度も投稿するといった特徴もあったそうだ。
この分析を元に賃金活動による投稿を判別するソフトウェアを開発したところ、Sina.comおよびSohu.comからダウンロードしたデータセットに対しては88%の正確さで判別に成功したとのこと。
なお、研究者らがマニュアルで行ったという賃金活動によるコメント選出の正確性については議論の余地はあるが、これはスパムフィルタの仕組み同様、今後取り組むべき課題であるとのことだ。
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