『ヨーロッパ不安と日本の今後』=妻と夫の株ロマン

2011年11月21日 13:56

★☆妻と夫の株ロマン☆ 時々の話題を夫婦の会話でお届けします★

【外国に対し借金がなく、勤勉さの残っている日本は明るい】

■「豊かだった」はずのヨーロッパがなぜ

 【妻】 最近、ヨーロッパの金融危機ばかりが目につきます。ヨーロッパといえば、「地球儀」の上で、歴史があり文明、文化の進んだ地域です。どうして、こうなったのか不思議です。

 【夫】 個人でも企業でも、国家でも同じだと思うことがある。貧しい間は、豊かになりたい一心で、誰もが額に汗して働く。ところが、豊かになれば、どこかに緩みが出る。企業でも、創業時は社長、自らが電車で営業に歩き回る。儲かり始めると、タクシー、そして自家用車に変わっていくのと似ている。

 【妻】 豊かになることが、悪いことのようですね。

 【夫】 そうではない。バランスの問題だろう。自家用車を持つことが、決して悪いということではない。効率が良いということなら、それも一つのやり方だろう。社会には、「ムダの効用」という言葉もあるくらいだから、社会全体からみれば、少しくらいのムダのあるほうが経済に対しては刺激となる。要は、『過ぎたるは及ばざるがごとし』で、ムダが多すぎてはいけない。

 【妻】 ムダかどうかの線引きは難しいのではありませんか。

 【夫】 個人、企業、国家にも当てはまる、「収入」-「支出」=収支、という計算式がある。支出以上に収入があれば、ムダではない。収入に比べ支出が多く、しかも、収入以上の支出が長期間にわたって続くとサイフの中のお金はなくなり、企業で言えば資金繰りが悪くなる。国家なら国債発行が増え借金が膨らむ。相場の世界では、昔から、『本社ビルを建てた企業の株はいったん売り』と教えている。収入に結びつかない固定費(支出)が増えて利益を圧迫するからだ。

■植民地政策で働くことを忘れたツケも

 【妻】 ヨーロッパは、昔から、小さい国を植民地にすることで、繁栄した歴史がありますね。そのツケも来ているのかしら。

 【夫】 あるだろうね。しかも、かつて、植民地化されていた国々が、今は新興国として目覚しく経済発展している。一方で、植民地政策で胡坐(あぐら)をかいて、額に汗することを置き忘れた先進国が厳しくなっている。植民地にされていた国は自立して強くなり、一方で先進国は経済が悪化してドタバタしている姿だろう。立場が完全に逆転している。

 【妻】 どうなるの。

 【夫】 ギリシャ、イタリアに続いてスペインも政権が交代した。国民の不満が強くなったためだ。しかし、不満だけでは物事は解決しない。さっきの、「収入―支出」の式で言うなら、政権が代わったからといって、明日から直ちに収入が増えるわけではない。「打出の小槌」はないだろう。あれば、今のような危機にはなっていない。結局、新しい政権は「支出」を削って収支のバランスを採るよりほかに方法はないだろう。仮に、100歩譲って、これまで借りていた借金を全て棒引きしてもらったとしても、それによって国民に勤勉性が戻って収入を増やすように働くかといえば非常に疑わしい。豊かになって額に汗することを忘れた国の怖さがある。

 【妻】 日本も国債の残高が多く、いずれ、ヨーロッパのようになるのかしら。

 【夫】 ならないだろう。「借金」で、いちばん怖くて、嫌なことは何だろ思う?

 【妻】 返さなくてはいけないことでしょ。

 【夫】 そうなんだ。とくに、借金取りに、「返せ、返せ」と言われるくらいツライことはない。この点、日本には、奥の手が残っている。幸い、日本の国債は外国にはほとんど保有されていない。日本の国民がほとんどを持っている。政府としては、「このままでは国の財政がパンクします。そうなったら、国民へのサービスはできなくなります。ただ、皆さんに保有してもらっている国債を棒引きにします。サービスが無くなるのとどっちがいいですか」と言えばよい。

 【妻】 だから、日本の借金は900兆円にもなるのに、国債の利回りが低いまま安定しているのですか。

 【夫】 そうだと思っていいだろう。いま、世界では、バブル崩壊後の日本経済の姿や少子高齢化を見て、「日本のようになってはいかない」ということが合言葉のようになっている。言わせてもらうなら、ヨーロッパと日本を一緒にしないで欲しいと言いたい。日本人には額に汗して働く意欲が十分に残っている。しかも、今、言ったように外国に借金をしているわけではない。ここで頑張れば、世界の中で真に豊かな国になることができると思っている。僕も桃子も歳で、あまり先がない。先輩ズラさせてもらうなら、若い人たちには、『よく学べ、よく遊べ』と言いたい。できれば、学び8割、遊び2割くらいがよいだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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