【話題】日経平均とTOPIXに明暗、TOPIX新安値、金融不振響く

2011年11月16日 16:46

  TOPIX(東証株価指数)が、7ポイント安の723ポイントと前日の5ポイント安に続いて下げ、10月5日の724ポイントを下回って場中値で年初来安値を更新。

  既に、TOPIXは3月の震災時下げでつけた安値(場中値)779ポイントを早々と下回っていた。これに対し、日経平均は3月の震災時下げでつけた安値8227円(3月15日)をこの日(16日)安値8465円でも約240円上回っている。

  日経平均は輸出関連銘柄、TOPIXは内需関連銘柄の影響を受けやすいとされる。最近の経済環境はEUの金融不安、中国など新興国の経済減速、タイ洪水、そして円高など、輸出関連銘柄には厳しいはず。しかし、本来なら内需関連銘柄中心のTOPIXが高くなってよいはず。それが、逆に、安値更新という不振ぶり。この背景には、

  (1) 内需関連銘柄のTOPIXには、金融株のウエートが高い。2008年の「リーマンショック」から、わずか3年で「ユーロ金融不安」が発生、金融を取り巻く環境が厳しい。

  (2) 金融株と並んで,TOPIXに影響度の大きい建設株も公共投資抑制の影響を受けている。しかも、期待の東日本震災の復興特需もまだ本格化していない。

などが影響しているようだ。

  ヨーロッパの金融不安は収まる気配はない。むしろ、世界へ拡大しかねない状況。しかも、国内では相次ぐ名門企業の不祥事による株価暴落で株式投資離れが起きている。このため、金融関連銘柄が本格的な反発に転じることは難しい。

  頼りになるのは、やはり建設中心の復興関連ということになるのだが。しかし、こちらも夏場の政治空白で復興が遅れ、さらに、このところの国会では自民党が総理に対し問責決議案を突きつけると勢いを増している。もしも、解散ということにでもなれば、また政治空白となってしまう。

  今日のTOPIXの安値更新には、こうした内外の不透明感を反映しているためだろう。このため、TOPIXは底打ちとは言い難く、2009年3月のリーマンショック後の安値898ポイントを覗きに行く可能性がありそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

【関連記事・情報】
オリンパスは「凄すぎる手口」が話題に!出来高1位の大活況で3日連続S高(2011/11/16)
森下仁丹は戻り高値!レアメタル回収を材料にビューティケア新会社を発表(2011/11/16)
犬丸正寛の相場格言~データでは説明できない先人の知恵をもとに株式投資で大成功~(2011/08/10)
株式評論家・浅妻昭治のマーケットセンサー(銘柄発掘の王道を伝授・注目株厳選)メルマガがスタート!登録受付中(2011/06/22)

関連記事

最新記事