三菱自、東京モーターショーで世界戦略車「ミラージュ」を世界初披露

2011年11月10日 10:15

 三菱自動車は9日、第42回東京モーターショーで、同社が2011年度から3ヵ年の中期経営計画『JUMP2013』で示した商品戦略の2つの柱である“新興市場を中心とした世界戦略車”と“環境対応”を具現化した、世界戦略車の新コンパクトカー『MIRAGE(ミラージュ)』(参考出品車)、および環境対応SUVの『MITSUBISHI Concept PX-MiEVII』(参考出品車)を世界初披露すると発表した。

 また、今年12月に発売予定の軽商用電気自動車『MINICAB-MiEV(ミニキャブ・ミーブ)』や、欧州や北米にも展開をはじめた新世代電気自動車『i-MiEV(アイ・ミーブ)』のほか、同社の最新の低燃費化技術である、新型MIVECエンジンとアイドリングストップ機能「オートストップ&ゴー(AS&G)」を組み合わせて搭載したコンパクトSUV『RVR』や、クリーンディーゼルエンジン搭載の本格SUV『パジェロ』など計15台(プレスデーは12台)を出品する予定。

 さらに、低炭素社会の実現や、全国的な電力需給逼迫への対策として、家庭内におけるエネルギーを最適に使用し、住む人を快適にするためのHEMS(Home Energy Management System)に、走行時も含め車両状態を常時モニタリングし、走行する場合でも、駆動用バッテリーの電力を利用する場合でも、常に充電量を最適に制御する三菱自動車独自のEIS(Electric Vehicle Integration System)を加えた統合システムを『MiEV ハウス』で紹介する。また、今年度内に実用化予定の、EV、PHEVの駆動用バッテリーから1500Wまでの給電を可能とする大電力給電装置を利用した『MiEV カフェ』も展示する。

 世界戦略車『MIRAGE(ミラージュ)』は、「新興国におけるエントリーカー(経済性)」と「先進国における低燃費/低CO2車(環境性能)」というニーズを両立させる「小型」、「低価格」、「低燃費」をコンセプトとした、新時代のコンパクトカー。コンパクトカーならではの取り回しの良さや運転のし易さを実現しながら、大人5人のための居住空間を実現する高効率パッケージを採用。細かな部品に至るまでの徹底的な軽量化、エンジン、トランスミッション、ブレーキやタイヤなど細部にわたる高効率化と走行抵抗の低減、さらに、空気抵抗低減効果の高いボディ形状の採用などで、クラストップレベルの30km/Lの低燃費を実現することを目指す(日本仕様)。2012年3月よりタイ国内で販売を始める予定。

 また、『MITSUBISHI Concept PX-MiEVII』は、長距離移動を要求される中型乗用車クラス以上のカテゴリーに対して三菱自動車が提案する、電気自動車派生型のプラグインハイブリッド車で、電気自動車の特長である「環境性能、静粛性」に加えて、「行動範囲を拡げる」、「気持ちよく走る」ことを可能とする環境対応SUV。同社が独自に開発している電気自動車派生型のプラグインハイブリッドシステムは、『i-MiEV』から得られた電気自動車技術に最新の環境エンジン技術を融合した。これにより、従来のエンジン車を大きく凌駕する複合燃料消費率60km/L以上という高い環境性能が得られるとともに、ガソリン車同等の航続距離800km以上を実現する。

 同システムは、大容量バッテリーを搭載しているため、バッテリーの電力のみでの走行距離が50km以上と、日常生活のほとんどを電気自動車として使用できる。また、バッテリー残量に余裕がある場合、住宅街や自然の中で静かに(排出ガスを出さずに)走行したい時などにスイッチ操作でEV走行が可能となる「バッテリー走行モード」を設定したほか、スイッチ操作によりエンジンで発電し、走行中にバッテリー消費を抑え、電力を蓄えることができる「バッテリー充電モード」も設定した。蓄えた電力はコンセントを介してアウトドアでの電気製品や、非常時の電源供給などに利用できる。また、V2H(家庭への電力供給)にも適応させている。

 加えて、ツインモーター式4WDをベースに、『ランサーエボリューションX(テン)』に搭載されている世界トップレベルの車両運動統合制御システム「S-AWC(Super All Wheel Control)」を採用。車両の安定性や安全性を高めながら、クルマを意のままにコントロールすることが可能となる。また、レスポンスに優れ、立ち上がりから高いトルクを発生するモーターならではの特性により、V6 3.0Lガソリンエンジン車と同等の加速性能が得られるなど、環境性能と走行性能を高い次元で両立させた。

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