露中の火星探査機を打上げ、探査機のエンジンに問題か
2011年11月9日 13:45
ロシア連邦宇宙局はモスクワ時間11月9日0時16分(日本時間5時16分)、ロシアの火星探査ミッション「フォボス・グルント(Phobos-Grunt)=フォボス・ソイル」と中国初の火星探査機「蛍火1号」を載せたゼニット・ロケット(ゼニット2SB)を、バイコヌール宇宙基地から打ち上げた。
打ち上げられたロケットは順調に飛行し、打ち上げから約11分後に「フォボス・グルント」を所定の軌道に投入し、打ち上げが成功した。しかし、「フォボス・グルント」のメインエンジン(MDU)が点火せず、予定されている火星に向かう軌道へ遷移できず、現在、地球周回軌道を周回しているとみられる。
ロシア連邦宇宙局によると、「フォボス・グルント」を長時間見失ったが、現在、通信を確保し、探査機がセーフモードに入っていることを確認したという。また、MDUが噴射しなかった原因については、ナビゲーションの問題で、位置を特定できなかった可能性が高いと説明している。ロシア連邦宇宙局は今後、原因究明すると共に、飛行プログラムなどを更新し、復旧を試みるが、その見通しはたっていない。
「フォボス・グルント」はロシアの火星探査のサンプルリターンミッションで、火星の衛星フォボスに着陸した後、フォボス表面の土壌サンプルを採取し、地球に持ち帰る計画。一方、「蛍火1号」は重さ約115kg、カメラや磁力計などを搭載し、火星の近くで「フォボス・グルント」から分離し、火星周回軌道に投入された後、約1年間にわたって火星と衛星のフォボスを観測する予定。
「フォボス・グルント」と「蛍火1号」はもともと2009年に打ち上げられる予定だったが、「フォボス・グルント」の組立てと試験が遅れたため、打ち上げが2011年に延期されていた。
この写真は打ち上げられる前のゼニット・ロケットである。
■Состоялся пуск РКН ≪Зенит-2SБ≫ с АМС ≪Фобос-Грунт≫
http://www.roscosmos.ru/main.php?id=2&nid=18222
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