CTC、スマートコミュニティの計画・運営を支援するクラウドサービスを提供開始
2011年11月6日 18:57
伊藤忠テクノソリューションズ(以下:CTC)は4日、低炭素社会・省エネルギー社会を目指したスマートコミュニティの計画・設計から運用までを支援するクラウドサービス「E-PLSM(エプリズム)」を、12月より開始すると発表した。
CTCは、これまで蓄積した風力・太陽光発電の予測技術や最適化シミュレーション技術等を活用し、東京大学大学院 工学系研究科 システム創成学専攻の宮田秀明教授の提唱する「Computational Social System Dynamics」のコンセプトに基づき、CTCの堅牢なデータセンターから提供されるクラウドサービスとしてE-PLSMを開発した。スマートコミュニティの構築を検討している自治体やディベロッパーを中心に営業展開し、付随するコンサルティングやシステム構築を含めて、今後3年間で10億円の売上を目指す。
東日本大震災以後、再生可能エネルギーに注目が集まっているが、風力や太陽光の発電量は天候による不安定性があるため、蓄電池の併設や予測技術などを利用し、安定した電力供給を行うことが求められている。また、太陽光パネルや蓄電池の設備導入では適切な経済性評価も重要な課題となっている。
CTCの「E-PLSM」は、再生可能エネルギーの導入に伴い、地域でのエネルギー管理の計画から運用・評価の段階までを支援するクラウドサービス。E-PLSMの“E”は、Energy、Economy、Environment及びEcologyを意味し、“PLSM”は、PLatform for Simulation and Managementを略している。
自治体やディベロッパー等は、E-PLSMを使用することで、スマートコミュニティの計画段階では、地域における風力・太陽光発電の設置、蓄電池の併設等に関し、エネルギー最適化のシミュレーションや経済性評価等を行うことができる。また運用段階では、各設備のリアルタイムなモニタリングや電力の売買による経済性評価等を行うことができ、PDCAサイクルに基づくスマートコミュニティ運営が可能となる。
E-PLSMは、地図画面上で一般住宅や商業施設などの電力需要施設と、太陽光パネルなどの供給施設等を仮想的に配置することで、地域内の電力需要量のピーク月やピーク時間、再生可能エネルギーの発電量、電力の自給率、最適な蓄電池導入量などのシミュレーションを行うことができる。センサーネットワークを利用すれば、実際の電力利用量や発電量、蓄電量に加え、電気自動車の位置・速度・電費・バッテリー情報等もリアルタイムに表示できる。また、気象予測に基づく日々の発電量予測により、電力の需給均衡を目的とした蓄電池の充放電制御計画なども支援する。
今後は、E-PLSMに付随する詳細なコンサルティングやセンサーネットワークなどのシステム構築とともにE-PLSMを提供し、設備の劣化・故障診断、低炭素社会の交通シミュレーション、防災、SNSなどの機能も追加することで、地域社会におけるスマートコミュニティの実現に貢献していく。