『NY強調で底堅い展開』を予想=犬丸正寛の相場展望

2011年11月4日 18:33

★電気など企業業績悪化は頭を押える、暖冬も消費に打撃

  来週(7日~11日)は、『NYダウ強調を背景に底堅い展開』が予想されそうだ。

  NYダウは、10月21日に75日線を上回って以降、同線を割り込むことなく強い動きとなっている。仮に、調整があっても75日線(直近1万1480ドル)で下げ止まるものとみられる。ただ、短期的な上値のフシとなっている10月27日の1万2284ドルを抜くことができるかどうか。抜けば、1万2750ドルの壁へ挑戦のコースとなるだろう。1万2284ドルを抜くことができないようだと、1万1500~1万2280ドルのモミ合いへ移行も予想される。

  ギリシャ問題は借金の多い国の先行きの難しいことを露呈した。国家でなくとも企業でも個人でも同じだろうが。陽気な話ではなく、陰気な話しだけに株価にはおもしろくない。目先的にいくら繕っても多額の借金を抱え、働く気のない相手を助けることには限界があるのではないか。しかも、「借りた者の強み」で、借りた者が開き直って貸した相手を半ば脅している状況だ。

★第3次補正予算成立に期待、やはり復興関連

  仮に、今回、EUがギリシャに対し妥協したとしても先行き同じことが通用するとは思えない。健全国のドイツ国民だって、ギリシャを救済するかどうか、「国民投票」をやってくれという可能性だってあるはず。ユーロ通貨の弱体化は、裏を返せばドルが強くなることでもある。「世界は、やはりドル」ということになればNYダウにとっても悪い話ではない。このあたりのことが、NYダウ強調の背景としてチラつく。

  ただ、決算発表最中の日本市場は本格的な上昇ということにはならないだろう。電気中心に企業業績の落ち込みが、あまりにも大きい。それをカバーするだけの内需の盛り上がりもない。しかも、「タイ洪水」の影響に加え、ここに来て、「11月に夏日」状態となって、冬物商品に打撃となっている。「冬物は1,2月に寒くてもあまり影響はない。冬物にとっては11月の気温がポイント」(中堅証券)だからだ。このまま、暖かい日が続くと、今年の冬物関連銘柄には期待できない。

  こうなってくると、11月中に成立見通しの第3次補正予算による「復興関連」に注目するしかなさそうだ。ただ、TPP問題がもつれると、予算後に解散選挙も考えておく必要はありそうだ。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)

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