カーボンナノチューブの特性を利用した体内埋め込み電源

2011年10月30日 15:47

jonykatz 曰く、 産業技術総合研究所は、カーボンナノチューブの光発熱特性を熱電変換素子に組み入れ、生体内で発電できる新たな光熱発電素子を開発した(プレスリリースマイコミジャーナルの記事)。

この発電素子は、カーボンナノチューブを分散させた樹脂フィルムを熱電変換素子に接合したもの。近赤外レーザー光の照射により樹脂フィルムが発熱することで熱電変換素子との間に温度差が生じ、熱発電動作を示す。これまでカーボンナノチューブは溶媒に分散しにくい点が応用上の制約となっていたが、ポリ(3-ヘキシルチオフェン)を用いることでシリコーン樹脂中に均一に分散できることが分かったとのこと。

既に生体外においてゼブラフィッシュの心筋を効果的に電気刺激できることが確認されており、ラットの背面に埋め込んだ光熱発電素子にレーザー光を照射することで生体外と同様に発電動作が起こることも実証されているという。

体内に埋め込んだ素子に体の外から近赤外レーザー光を当てるだけで、人体に負担をかけずに電力を供給できるとのことで、安全で電池交換の不要な体内電源が利用できる日は近いかもしれない。

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