日本精工、盲導犬型ロボットを開発 外界を自律認識し階段昇降の先導を可能に

2011年10月28日 10:57

 日本精工(以下NSK)は27日、新開発の外界認識技術とガイダンス機能により、階段の位置の検出と形状認識を自律して行ない、階段を先導しながら昇降できる四脚車輪型ロボットを開発したと発表した。同技術は、車椅子、盲導犬や介護犬の代用などへの応用が可能で、将来的に「盲導犬型ロボット」として普及することが期待される。

 今回、NSKが開発したロボットは、脚先に駆動車輪を備え、平地や段差での高い移動能力を有した四脚の脚車輪型ロボットであり、画像センサと距離センサにより得られた外界情報を、独自の処理を行なうことにより、自律で階段を認識しながら昇降し、人を先導する。

 具体的には、距離画像センサより得られた情報を3次元空間における形状・位置・姿勢の情報に変換し、階段の段数や幅などを認識する。これにより、従来困難であった階段昇降中にも、階段の認識が可能となり、上り階段・下り階段を問わず、より安全で安定した階段での歩行が可能となった。

 また、先導のための人とのインターフェイスは、角度や長さが可動するグリップを採用し、下り階段においても使用者の姿勢を安定させたガイダンス動作が可能となった。また、人の歩行速度に近いスピードでの移動が可能となり、実用化に近づいた。さらに、階段昇降時に足先が着地した際に確実な停止を可能にし、また、段差部への接触を抑制するセンサを備えており、より確実な歩行で、人を安全にガイダンスする。

 同技術は、車椅子、盲導犬や介護犬の代用などへの応用が可能で、人間の視覚力をアシストする自律移動ロボットへと繋がる技術開発を目的としたもの。

 NSKは、11月9日(水)から11月12日(土)まで、東京ビッグサイト(東京都江東区)にて開催される「2011国際ロボット展」に同開発品を出展し、会場でデモを行い、広く市場でのニーズを探る。今後、実用化に向け、安全性などの機能について市場での実地検証を行っていく。
 

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