日立、不正コピーをけん制する「動画電子透かし技術」を開発
2011年10月20日 13:47
日立製作所は20日、動画に対し、サイズ(画格)の縮小などの不正コピーを行うと、その再生時に事前に埋め込んでおいた画像(潜像)が画面上に浮かび上がり、不正コピーをけん制する「動画電子透かし技術」を開発したと発表した。
同技術は、医療、建築、公共機関などの動画の機密性や真正性が求められる分野や、著作権保護や不正行為けん制、真正証明などのコンテンツのセキュリティ管理など、多様な用途へ活用されることが期待される。
日立ではこれまで、著作権情報などを高速で埋め込むことができる「電子透かし技術」を開発し、著作権保護や情報漏えい対策の分野で活用してきた。しかし、従来の「電子透かし技術」では、再生時に電子透かしが画面上に現れず、直接けん制することができなかった。一方、警告文やロゴなどを動画に埋め込むと、再生時の画像を妨げるおそれがあった。
そのため、今回日立は、通常の再生時には目立ちにくく、不正コピー後に再生すると浮かび上がる潜像を動画に埋め込むことで、動画の不正コピーをけん制する「動画電子透かし技術」を開発した。
今後、クラウドコンピューティングが普及し、大量のデータが蓄積されていくと、流通する動画コンテンツのセキュリティはますます重要になる。「日立は、本技術を活用して、著作権保護や不正行為けん制、真正証明など、多様な用途への適用を提案するとともに、コンテンツのセキュリティ管理に貢献する技術開発を進めていく」と同社はコメントしている。