ヴァージンの宇宙旅行、スペースポート・アメリカが完成

2011年10月18日 14:45

 ヴァージン・ギャラクティック社(Virgin Galactic)とニューメキシコ州は10月17日、民間宇宙港「スペースポート・アメリカ(Spaceport America)」が完成したと発表した。同日にはイベントも開催され、リチャード・ブランソン会長、スサナ・マルティネス州知事らが参加し、ヴァージン・ギャラクティック社の宇宙旅行予約者も招かれた。

 スペースポート・アメリカは世界初の民間宇宙港で、標高1400m、年間晴天日数が約300日と高い。周辺に住民も少なく、ホワイトサンズ・ミサイル実験場に隣接していることから、上空が飛行禁止区域となっており、宇宙船を打ち上げるのに最適な場所である。

 スペースポート・アメリカの建設は2009年に始まり、約2年間かけて、全長約2マイル(3.2キロメートル)の滑走路や、未来と思わせるようなデザインのターミナルビル(ターミナルハンガー)などが建設された。

 スペースポート・アメリカの完成について、ブランソン会長は「今日はヴァージン・ギャラクティック社のための歴史的な1日です。21世紀で最も重要な新しい産業を作るために、私たちは素晴らしい人々のグループと一緒にここにいます」と述べた。

 ヴァージン・ギャラクティック社のサブオービタル宇宙旅行は早ければ2011年末から2012年初にスペースポート・アメリカで開始する予定となっており、宇宙船「スペースシップツー」を載せた「ホワイトナイトツー」は、約1万8000m上空まで上昇した後、「スペースシップツー」を切り離す。切り離された「スペースシップツー」はロケットエンジンを点火し、一気に高度約110kmの宇宙空間へ上昇する。6名の乗客は約5分間の無重力を体験でき、丸い地球を眺めることもできる。

 F1ドライバーのミハエル・シューマッハ選手やルーベンス・バリチェロ選手、デザイナーのフィリップ・スタルク氏、イギリスの物理学者スティーヴン・ホーキング博士らが同宇宙旅行を予約しているほか、日本人として、小僧com株式会社の代表取締役会長兼社長である平松庚三氏、元外資系IT企業勤務の稲波紀明氏ら3人も参加する予定となっている。

 ■Sir Richard Branson and New Mexico Governor Susana Martinez dedicate the ‘Virgin Galactic Gateway to Space'
http://www.virgingalactic.com/news/item/sir-richard-branson-and-new-mexico-governor-susana-martinez-dedicate-the-virgin-galactic-gateway-/

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