武田薬品、不眠症治療薬ラメルテオンの欧州における開発を中止
2011年10月7日 18:02
武田薬品工業は7日、同社の100%子会社である武田グローバル研究開発センター(欧州)株式会社(英国ロンドン、以下「TGRD(EU)社」)が欧州で実施している不眠症治療薬ラメルテオン(一般名)の開発について、同社の研究開発資源の最適化に鑑み、本剤の欧州での開発を中止することを決定したと発表した。
TGRD(EU)社は、欧州においてラメルテオンの販売許可を2007年3月に申請したが、2008年5月、欧州医薬品評価委員会(CHMP)の見解を踏まえ、一旦、同年9月に本申請を取り下げた。
武田薬品は、販売許可申請後に得られた臨床試験成績を含む新たなデータをもとに改めて販売許可申請を行うことを検討してきたが、同社の研究開発資源をより最適化するに当たり、今回、再申請を行わないことを決定した。
ラメルテオンは、2005年7月に米国食品医薬品局(FDA)より販売許可を受け、さらに、2010年4月に、厚生労働省より製造販売承認を受けており、現在、「ロゼレム」の製品名で販売されている。
「当社は、ラメルテオンが患者にとって有用な治療オプションであることを確信しており、引き続き、あらゆる観点で本剤の可能性について検討を続けていく」と同社はコメントしている。
ラメルテオンは、脳内で睡眠・覚醒のサイクルを司り「体内時計」とも言われる視交叉上核に存在するMT1/MT2受容体に特異的に作用し、睡眠覚醒リズムを調節し、自然な睡眠をもたらす不眠症治療薬。