イトーヨーカ堂、岩手県でPB黒毛和牛を繁殖から販売まで管理 流通業で初

2011年10月7日 17:23

 イトーヨーカ堂は7日、同日から、岩手県遠野市とエスフーズとの三者連携により、岩手県遠野市に設立された現地法人「エスファーム遠野株式会社」(エスフーズ100%出資)を通じて、イトーヨーカ堂のプライベートブランド(PB)「顔が見えるお肉。」の生産・出荷およびハンバーグ等の食肉加工品の製造・販売(6次産業化のビジネスモデルの推進)を開始すると発表した。「6次産業化」とは、農林漁業生産と加工・販売の一体化や、地域資源を活用した新たな産業の創出の促進を意味する。

 この取り組みは、2009年11月13日に、イトーヨーカ堂が岩手県(知事:達増拓也)と締結した、地産地消や災害時の支援等9分野において相互連携の強化を図る『地域活性化包括連携協定』に基づき、東日本大震災により大きな被害を受けた岩手県の早期復興を支援するために、岩手県内における「6次産業化」による新たなビジネスを創出するもの。

 今回、エスファーム遠野で生産を開始する“黒毛和牛”の取り組みでは、三者の連携により、繁殖から販売までの和牛の生産および食肉加工品の製造・販売まで、全ての設計・プログラムを構築できるとともに、消費者の食卓に並ぶまでの全ての流通に関する情報が公開可能となり、食の安全・安心をより一層追求できるという。

 これにより、「顔が見えるお肉。」の“黒毛和牛”は、子牛のみならず親牛の飼養・飲用水管理および草種・草地管理までの履歴確認が随時できるようになる。また、購入した消費者の意見や提案等を迅速に生産管理まで反映・対応することも可能となる。

 「東日本大震災以降、被災地を含めた“食”を取り巻く環境は大きな転換期を迎えている。このたびの“黒毛和牛”の取り組みにより、イトーヨーカ堂の『顔が見える食品。』の“もっと美味しく!もっと安全に!”という基本理念のもと、(1)地域と連携した安全・安心な“食”の提供、(2)地域資源等を活用した食肉加工品の製造・販売をしていく新たなビジネスモデル(6次産業化)の構築、(3)被災地における新規雇用の創出による復興支援と地域活性化を通じ、持続可能な地域産業への貢献を図っていく」と同社はコメントしている。


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