トヨタ、次世代テレマティクスサービスを新興国向けに展開 まずはタイで

2011年10月6日 16:21

 トヨタ自動車は5日、グローバルクラウドプラットフォームを活用した次世代のテレマティクスサービスを、2012年3月のタイ市場を皮切りに、新興国に向けて順次展開していくと発表した。

 「テレマティクスサービス」とは、テレコミュニケーション(通信)とインフォマティクス(情報工学)から生まれた造語で、クルマなどの移動体に情報通信端末を搭載し、無線ネットワークとデータセンターを通じたサービスのこと。

 グローバルクラウドプラットフォームは、日本および米国市場で発売予定のEV、PHV向けの次世代テレマティクスサービスの情報インフラとして、マイクロソフト社との提携により、2012年の稼動開始に向け構築中のもの。トヨタの有するテレマティクス技術と、マイクロソフト社の有するクラウド技術、情報インフラを融合することにより、テレマティクスサービスの迅速なグローバル展開を可能にする。

 タイ市場は、日本、北米に続き、グローバルクラウドプラットフォームを利用する3番目の市場となる。同社では、今回のタイへの展開を機に、単独では情報インフラの構築に限界がある新興国向けに、順次、同プラットフォームを活用したサービスを拡大する計画。

 具体的なテレマティクスサービスとしては、すでに日本ならびに中国で提供している、「交通情報を加味したナビゲーションのルート案内サービス」、日本、中国ならびに米国で提供している、「オペレーターによる目的地設定の代行サービス」、「事故や救急時に応援の要請を可能とした緊急通報サービス」といったサービスを、グローバルクラウドプラットフォームを活用し、タイ市場で展開する。

 なお、タイ市場向けテレマティクスサービスは、スマートフォン向けのサービスとして提供していくが、スマートフォンとディスプレイオーディオ(車載機)をつなぐことで、ディスプレイオーディオでの表示や操作が行えるようにした。これにより、ユーザーは車内外問わずテレマティクスサービスを享受できる。また、車載機側にナビゲーション機能を装備する必要がないため、車載機をより低価格で提供可能となる。

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