株式評論家:海老原紀雄氏に「一問一答」、これからの相場見通しを聞く=犬丸正寛

2011年10月5日 18:01

【株式評論家・海老原紀雄氏に株式市場動向を聞く】

  【問い】これからの相場見通しはいかがですか。

  【答え】残念ながら強気を言う環境にはありませんね。世界を見渡して好調なところは、一つもないという状況です。

★世界経済の牽引役不在が中長期に心配

  ユーロ不安のヨーロッパは言うまでもなく、アメリカも若い世代の失業率が非常に高い状態で、政府に対する不満が高まっています。特に、貧富の差が大きすぎます。今回のウォール街でのデモがこうした不満を象徴していると思います。中国も貧富の差が目立っているうえに、1年以内には不動産バルブが崩壊する心配もあります。世界経済を牽引するところがありません。この意味では3年前のリーマンショックの時よりは状況は厳しいと思います。

★日本も活力向上がないと3年先には国債暴落も

  その中で、日本については、「復興」ということで、しばらくは景気が堅調となるでしょう。しかし、1年後くらいには、また、今と同じような状況も予想されます。しかも、活力のないままだと3年先くらいには「日本国債売り」が起きる心配があります。とくに、国民が国債を買わなくなり、日銀が国債を引き受けるようになれば危険でしょう。

  そのためには、日本は復興だけにとどまらず国全体の活力をいかに向上させるかがポイントではないでしょうか。残念ながら、まだ、そのあたりは野田内閣からは見えてきません。

★13日のIMFのユーロ支援策を見守る

  当面は13日に予定されているIMFによるギリシャ等支援が決まるのかどうかが注目でしょう。決まればNYダウをはじめ世界のマーケットは好感するでしょう。日本では「復興」に関連した建設や住宅、住宅周辺の銘柄が注目されると思います。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)

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