米アップルのiPhone「4S」、新光学システム採用でカメラ機能を強化

2011年10月5日 15:24

 米アップルが4日(現地時間)発表した「iPhone 4S」の特長の一つが、新しい光学システムを搭載し、8メガピクセルの解像度となった「カメラ」機能だ。進化した裏面照射型センサー、高度な自動ホワイトバランス、優れた色精度、顔検出機能、手ぶれを軽減する機能も搭載されている。

 今回、完全に新しくなったカメラは8メガピクセル。ピクセル数がiPhone 4のカメラより60パーセントも多くなり、より多くの光を集められる、より優れたフルウェルキャパシティ(飽和容量)を持つように設計されている。ピクセル数と光量を増やしたことで、写真の解像度と細部に劇的な違いが現れ、iPhone 4Sで撮った写真は、iPhoneだけでなく、コンピュータやハイビジョンテレビなど、どんな所に映し出しても圧倒的な美しさで再現される。プリントする際は、ピクセルの数をそのままに保ってレンダリングし、8x10サイズの大きさまで対応する。

 すばらしい写真を作るのはピクセル数の多さだけではなく、光も大切なポイントとなる。iPhone 4Sでは、どんな光の条件下でも写真が最も美しくなるよう、カメラに内蔵されたまったく新しい高度な光学システムが連係する。カスタムレンズは5枚の精密なレンズを組み合わせて入ってくる光を調整し、画像全体を一段とシャープにする。明るくなったf/2.4のレンズは、より多くの光を取り込むことができるので、写真がいっそう明るく、美しいものになる。さらに、高度なハイブリッドの赤外線フィルタにより、画質低下を招く赤外線がレンズを通らないようにするため、より正確で、より統一された色彩を再現できる。

 iPhoneは光量の少ない所でも、多い所でも、その場の雰囲気を美しくとらえる。そのため、暗いシーンも暗くなりすぎず、光もまぶしくなりすぎない。動きのある被写体のぶれも、より抑えることが可能。さらに、感度を高めるよう設計された次世代の裏面照射型センサーは、より短い露出時間でその場の明るさを再現できるため、色が飽和することなく、細部までくっきりと映し出される。そして必要な時には、より高度になったLEDフラッシュが自動的に光る。フラッシュをオフにすることも可能。

 iPhone 4Sに搭載されたデュアルコアA5チップは、デジタル一眼レフカメラと変わらないほどレベルの高い画像信号処理機能を持っている。タップで焦点を合わせたり、露出をコントロールできるのも、シャッターラグがないのも、このA5チップのパワーのおかげ。さらに、画像信号処理機能がカメラの処理速度を上げるため、あらゆる動きを起きた瞬間にとらえることができる。このカメラはiOS 5の高度なアルゴリズムも活用するため、色彩の正確さ、ホワイトバランス、ダイナミックレンジの幅もさらに優れたものになっている。

 新しい顔検出機能がついたとても賢いカメラは、映っている人数が1人か複数かを自動的に見分ける。そしてフレームの中でいちばん目立っている顔にピントを合わせ、最大10人の顔の露出を調整する。たくさんの笑顔を美しく撮れるのはもちろん、何人かが作り笑いをしていても見逃さない。

 面白いことが起きた瞬間にカメラを構えたらもう遅かった、という経験は誰にでもあるもの。iPhone 4Sでは、カメラアプリケーションがロック画面でもすぐに起動するようになったため、一瞬の出来事も逃さずとらえることができる。グリッドラインと、ピンチしてズームするジェスチャーをうまく使って構図を決めたら、タップでピントを合わせる。撮影は音量を上げるボタンで行う。

 単に優れたカメラであるだけでは終わらず、このカメラはあっという間に編集スタジオにもなる。トリミング、回転、補正、赤目除去もそのままiPhone上で行える。コンピュータにある写真編集ソフトウェアを使う必要がない。

 HDR(ハイダイナミックレンジ)をタップして写真を撮ってみる。するとiPhone 4Sが、1つのシーンに対して露出の違う3枚の写真を撮影し、それぞれの最も良い部分を組み合わせて1枚の写真を完成させる。HDR写真では様々な光がより的確に表現され、iPhoneのカメラロールには元の写真とHDR写真の両方が表示される。見比べると、違いは一目瞭然。

 iCloudのフォトストリームでは、新しく撮った写真が、持っているすべてのデバイスに自動的に送信されるので、誰かに見せたい時は、iPhoneだけでなく、iPad、iPod touch、Mac、Windowsパソコンも使用可能。Flicker、Facebook、Twitterで注目を浴びたいなら、撮ったその場ですぐに投稿。みんなに見せたい時は、AirPlayを使ってハイビジョンテレビに映し出したり、iMessageやMMSで送信すればよい。これまで通りEメールで送ることもできる。

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