オムロン 業界初、事業所内各エリアのピーク電力を複数同時に予測監視する装置を発売
2011年9月29日 00:46
オムロンは28日、ピーク電力のカットを実行するため、事業所内の各エリアに分配された電力に対し、業界で初めて、個別に6か所までピーク電力の予測監視が可能な「マルチピーク電力監視装置」を、2011年11月初旬から販売開始すると発表した。価格は18万6,000円。
今夏のエネルギー管理指定工場の節電活動では、コジェネレーション稼働による発電や、土日を含めた生産シフト、工場間の輪番操業などによって、ピーク電力のカットを実行することが主流だった。ただしこの方法では、費用や業務面での負担が大きく、資源エネルギー庁によると、400社において、今夏の15%削減未達成の事業所が存在したともいわれている。
エネルギー管理指定工場など大規模な事業所では、ピーク電力のカットを目的として、全体の電力に対するピーク電力の予測監視を行うデマンド監視装置がすでに導入済みの企業がほとんど。しかし、15%カットという高い目標に対し、従来のデマンド監視装置では、リアルタイムにどのエリアでピーク電力が発生するかの把握が難しく、節電責任者のみではピーク電力のカットが困難だった。
このような課題に対し、「マルチピーク電力監視装置」は、工場や建物で既に設置済みのデマンド監視装置(1次側計測)によるピーク電力のカットとは別に、事業所内の各エリアに分配された電力(2次側計測)に対し、最大6か所まで個別にピーク電力の予測監視をする業界初の機能で解決する。
「マルチピーク電力監視装置」は、Webサーバを内蔵しているため、顧客の社内LANを通じて各エリアの1日のピーク電力の推移を表示することで、それぞれの状況をシェアすることが可能。また、各エリアでピーク電力を超えそうな場合、従来のデマンド監視装置と同様に、メールや警報装置で各エリアの節電担当者に通知することもできる。これにより、1次側計測のみでは実現が困難であったピーク電力のカットを、各エリア単位で実施していくことで、事業所内全体のピーク電力のカットが可能になる。
「今夏だけではなく、今冬や来夏も再び電力不足に陥る事態が想定される。『節電』という社会的ニーズにこたえるため、オムロンでは『見えると、できる節電。』をコンセプトに、様々な省エネ機器やサービスを提供していくことで、節電に大きく貢献していく」と同社はコメントしている。