日立、スマートデバイスで利用できる商用車向け動態管理サービスをクラウドで提供開始
2011年9月27日 14:30
日立ソリューションズと日立オートモティブシステムズは27日、日立ソリューションズの車両動態管理分野と日立オートモティブシステムズの地図情報分野で連携を強化し、商用車向けの動態管理システムを共同で開発したと発表した。
同システムは、日立オートモティブシステムズのスマートナビアプリ「NS-100A」(スマートフォンやタブレット端末などのスマートデバイス向けナビアプリケーション)を利用し、日立ソリューションズが商用車向けの動態管理サービスとして「スマートe-trasus(スマート・イートラサス)」を、10月3日から販売開始し、12月1日からクラウドでの提供を開始する。「スマートe-trasus」は、スマートデバイスから動態管理を行うことができ、顧客の業務効率を向上することに貢献する。
同社によると、商用車向け動態管理の市場は、安定した成長を続けており、国内では現在約20万台に普及していると言われている。2015年には30万台、2025年には100万台を超える普及が見込まれている。このような背景から、拡大を続ける当該市場に対して、技術進歩の著しいクラウドとスマートデバイスを組み合わせたサービスが注目されている。
「スマートe-trasus」は、例えば、顧客独自の地点情報(危険地帯、通行不可ルートなど)を登録し、車両を管理している顧客のセンターから通行可能な道路、危険回避道路などをリアルタイムでルート指示することで、業務用車両運行における走行ルートの最適化や安全性の向上を実現できる。
スマートデバイス内に地図情報を保持することで、オフライン時にナビ機能が利用できるので通信費も抑制できる。さらに、CRM(顧客情報管理システム)やSFA(営業支援システム)などのクラウドサービスとの連携も可能。同サービスはクラウドで提供されるため、初期導入コストを抑えることができ、短期間で利用を開始することができる。
「スマートe-trasus」の各メニューを組み合わせることにより、業種毎に適したサービスを実現することができる。サービスとしては、車両管理(動態管理、ルート配信、メッセージングなど)、地図情報更新、交通情報提供などがある。今後もセキュアリモートアクセスサービス、文書管理などを順次提供していく予定。また、対象となる業種は、運送業・サービス業を始めとし、商用車を利用する医薬情報担当者向け、公共機関向けなどに拡大していく予定。
日立ソリューションズは、「スマートe-trasus」全体で、2015年度までに売上80億円(端末売上分を含む)、サービス提供車両数6万台を目指す。また、「スマートe-trasus」は日本国内に留まらず、中国・アジア市場、北米市場向けに同サービスを順次提供していく予定。
サービスの月額使用料は、2,625円~(税込)/台。ナビサービス1,785円(税込)を含む。なお、通信費用、管理者用ライセンス利用料、センターサービス利用料、初期導入費用等は含まない。12月1日にサービスを開始する。