台風15号、首都圏直撃の恐れ 日本気象協会が特徴・被害の恐れを発表

2011年9月20日 19:19

 一般財団法人日本気象協会は20日、台風15号の類似台風を調べ、どのような特徴・被害の恐れがあるかをまとめ、発表した。

 同協会によると、沖縄付近で停滞していた台風15号は、19日から北上を始め、20日には九州の南海上を北東に進んでいる。本州付近でも、湿った空気の流れ込みによって、九州から紀伊半島、東海にかけて強い雨が降っている。先の台風12号の影響で甚大な被害を受けた紀伊半島方面は、特に厳重な警戒が必要となっている。

 また、首都圏直撃コースの可能性も出てきている。コースによっては、東北地方や北海道でも大雨の恐れがあり、影響が広範囲に及ぶことが予想されるという。

 この状況を受け、日本気象協会は、過去1587個の台風の進路を調べ、「九州の南海上から北東へ進む」、「本州に上陸して北日本または北海道東海上に達する」、「九州~北海道付近をおよそ2日以内に通過する」という進路をとった場合の台風の中から、今回の台風とほぼ同程度の規模の台風を選定し、どのような特徴や影響があるかをとりまとめた。

【類似台風から見た特徴】
台風の予想進路に近い条件に当てはまる台風。

① 2003年台風10号(北よりのコース)
・ 四国や紀伊半島に大雨をもたらし、台風通過の1日で400mm~600mmの激しい雨を記録した。
・ 西日本太平洋側の広い範囲で、潮位偏差が100cmを超える高潮が発生した。
・ 北海道で連続雨量200mmを超えた所があり、河川のはん濫が相次いだ。

② 1985年台風6号(ほぼ真ん中のコース)
・ 紀伊半島や伊豆で400mm程度の雨をもたらし、関東北部でも250mmを超える雨量になった。
・ 首都圏では暴風となり(千葉県で最大瞬間風速が48.6m/s)、東京湾内では潮位偏差が150cm前後の高潮が発生した。

③ 2002年台風7号(南よりのコース)
・ 前線の影響も加わり、信越地方や東海地方で150mm~240mmの大雨だった。
・ 八丈島で最大瞬間風速40.6m/sの暴風となるなど、鉄道や航空便等に大きな影響が出た。

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