4-6月期の世界PC出荷は2.7%増:消費の手控えやスマホとの競合で予想下回る=IDC

2011年9月13日 16:46

 米調査会社IDCは13日、4-6月期の世界PC出荷台数が事前予想を下回る前年同期比2.7%増だったと発表した。景気の先行き不安による消費の手控えや、成熟市場でのPCの飽和、スマートフォン、タブレット端末などとの競合が響いた。

 同社によると、2011年の世界PC出荷台数は前年比2.8%増の3億5,690万台になるとの見通し。米国の景気後退と欧州の財政問題の影響で市場環境はさらに悪化する見込みで、前回予想の4.2%増から大きく引き下げた。

 同社は2012年についても前回予想の10.2%増から9.3%増に引き下げた。2013年から2015年の成長率は11%前後の予想で据え置いている。

 4-6月期については、成熟市場で特に中小企業と個人消費者からの需要が弱い状態が続いた。西ヨーロッパでは、長引く財政問題の影響などから前年同期比で20%以上落ち込んだ。一方、中国が米国を抜いて世界最大のPC市場となるなど、新興国は堅調な勢いを保った。

 同社ワールドワイドPCトラッカーのJay Chouシニア・リサーチ・アナリストは声明で「消費者は、ひとつには経済環境の影響で消費を控えたが、魅力的な商品がないことも消費者向けPCが苦しんでいる理由の一つだ」「ミニノートでの成功は過ぎ去り、PC業界は、買い手の興味を引き付ける魅力的な機能を開発するのに苦しんでいる。また、同四半期に1億700万台販売されたスマートフォン、1,350万台販売されたタブレット端末との競合でも影響を受けている」とコメントしている。

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