ヤマハ発、インド市場向けのスポーツバイクをこの秋、モデルチェンジ

2011年9月12日 11:00

 旺盛な内需に下支えされた堅調な経済成長、都市部中間所得人口の増加などを背景に、二輪車市場世界第2位のインドの2010年総需要は1,127万台となり、過去最高を更新。2011年は、インフレやガソリン価格高騰などの懸念もあるなか、年率8%以上の好調な経済成長などにより、さらなる需要拡大が期待されている。

 インドの二輪車市場の主なメーカーとして挙げられるのが、Hero MotoCorp、Bajaj、TVSなどの地場ブランドに加え、日系のHMSI(ホンダ)、SMI(スズキ)、YAMAHA(ヤマハ発動機)となっている。現在、二輪車の需要全体の約8割が100ccから200ccのモーターサイクル型で、残りのほとんどは125cc以下のスクーター。モーターサイクル型の需要は20代若者層が牽引役となっており、欧州トレンドを積極的に取り入れる傾向も強く「高級志向」「ステップアップ志向」が広がり、多くの代替需要を生むとともに、スポーツバイクへの興味も高まっている。

 このような流れを汲み、ヤマハ発動機は同市場で"高付加価値マーケティング"戦略を展開している。これは低価格の普及帯とは一線を画す、トップエンドのカテゴリーを狙った高付加価値商品を投入し、顧客満足度の高い販路の構築と合わせて他社と差別化を図るマーケティング戦略。主にトレンドセッターのユーザーをターゲットとして、同社のブランドイメージを植え付けることに主眼を置いている。

 その戦略の一貫してスーパースポーツバイク"YZF-R シリーズ"の技術思想を反映した同市場向けモデル「YZF-R15」を2008年に導入。同バイクは"移動手段"としてのバイクが主流の同市場に、"走りを楽しむ"という新しい価値観を提案した同排気量クラスとしてはインド初の本格的スーパースポーツタイプ。"YZF-R シリーズ"直系のボディデザイン、スポーティな走行性、快適な乗り心地、市街地での扱いやすさなどが支持されているという。

 そして今回、「Grade Up R15」コンセプトのもとに「YZF-R15」をモデルチェンジ。現行車の基本性能を継承・進化させながら、ボディスタイリングの刷新とスポーツ走行性向上を図った新生「YZF-R15」を2011年秋より同市場にて登場させる。

 初代モデル導入から3年を経て、同市場からはさらにYZF-Rシリーズの雰囲気に近い洗練されたスポーティなスタイルをと、新生「YZF-R15」の登場を待つ声が高まっていた。今回のモデルチェンジではECU制御変更等による加速性能・高速走行性能の向上、アルミ製ロングリアアームとリアラジアルタイヤ採用などの変更をおこなっている。スポーティな走りに磨きをかけ、ボディデザインの刷新を図るなど商品力を向上し、スーパースポーツ市場をさらに牽引するモデルとして企画、開発した。

 同社は2010年には24.6万台をインド国内で販売(シェア2.2%)、2011年は累計31万台以上の販売及びシェア2.5%を見通している。世界第2位のインド市場の中ではシェアはまだ小さいが、この新生「YZF-R15」の投入によってブランド認知のさらなる拡大を狙っている。

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