当り屋につけ、曲がり屋には向かえ=犬丸正寛の相場格言
2011年9月12日 10:20
■当り屋につけ、曲がり屋には向かえ
資本主義社会は、戦いの場であり、ゲームの世界でもあります。奇麗事なしで言えばパチンコ、トランプ、マージャンなどと変わりません。勝ち負けの世界です。言うまでもなく、勝負の世界は日頃の「鍛錬」と、実際に戦いの場に臨んだ時に、周囲の状況を見て判断する「冷静さ」が非常に大切です。冷静さを失うと、即、負けにつながります。株の世界は、もっと厳しい勝ち負けです。
資産額がほぼ同じ、2人の投資家がいたとします。どちらも日頃の勉強には努力を惜しみません。しかし、実際の売買に臨み、売買を重ねて行くと、同じ力量なのに、両者に差が生じるものです。こうした場合のほとんどは「冷静さ」の違いが大きな原因となっているものです。一度、負けるとカッとして冷静さを失い、それが、さらに損の上積みとなって行きます。
相場では、『休むも相場』と教えています。うまく行かないときは休んで冷静になる気持ちが大切です。マーケットで当たっている投資家は冷静さを持っているのです。反対に、外れている、いわゆる曲がり屋は、なんとかして儲けたいという「あせり」で冷静さを欠き損の上塗りとなっているのです。
あせりは、台所事情から来る場合も多々あります。外国人投資家はサブプライムローンでやられ、なんとかして取り返したいとの思いから、ほとんど曲がっていました。このため、マーケットでは外資系は売り逃げたいために『売りたい強気』を装っている、レーティングを引き上げたら売っておけばいい、と言われたものです。いわゆる曲がり屋だったのです。
現在は外資系証券の中には本来の当りを取り戻しつつあるところもあります。個人投資家は資金が少ないのですから、こうした大口投資家が当り屋か曲がり屋かをよく見ておくことも大切です。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)
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