札証アンビシャス上場のインネクスト社、自己破産申請へ 来月10日に上場廃止
2011年9月9日 18:27
帝国データバンクによると、液晶技術製品開発・製造の株式会社インネクスト(札証アンビシャス上場)が9日、取締役会で東京地裁へ自己破産を申請することを決議し、今後破産申請をする見込み。負債は約10億7000万円(9月9日現在)。また、札幌証券取引所は9日、インネクスト株式を10月10日に上場廃止すると発表した。
帝国データバンクによると、同社は、2003年(平成15年)10月に設立。医療機器の輸入販売権を譲り受けたのを皮切りに、液晶検査装置の製造販売なども手がけ、2007年12月には札証アンビシャス市場に上場を果たしていた。その後、液晶機器事業を主力として展開し、2009年6月期には中国企業向け液晶製造装置の納入や、国内でも大口の医療関連装置の受注を得るなどして年売上高約13億9400万円を計上。また翌2010年6月期においても、主要顧客である台湾や中国の液晶パネルメーカーが積極的に設備投資を進めたことで、液晶製造装置の販売も好調に推移、年売上高は約14億8400万円と公表していた。
ところが、2011年6月17日に、過去の決算において不正経理を行っていたことを発表。2007年6月期から2011年6月期第3四半期までで約24億円の架空売上と約10億円の粉飾利益があったことを明らかにするとともに、同日付で監理銘柄に指定される事態となっていた。このため、信用が低下し、予定していた大型案件の受注も出来ず、スポンサーの獲得も難航、今後の資金繰りの目処が立たないことから、今回の措置となった。
なお、帝国データバンクによると、今年に入って上場企業の倒産は、5月に破産したジャスダック上場の(株)セイクレスト(大阪府、マンション企画・販売代理、負債22億8200万円)に続いて3社目となる。