IDC Japan、国内仮想化サーバー市場予測を発表 11年は前年比3.0%増加
2011年9月6日 21:47
IT専門調査会社「IDC Japan」は6日、国内仮想化サーバー市場の最新予測を発表した。2011年第1四半期(1月~3月)の出荷実績と市場動向にもとづいて予測したもの。
同社によると、2011年の国内仮想化サーバー市場の出荷台数は9万3,096台となり、前年と比較して3.0%の増加になる見込み。2011年は1桁の成長にとどまるが、2012年には2桁の高成長に復帰する見込み。なお、「仮想化サーバー」とは、仮想化環境を構築するために出荷されたサーバーとIDCでは定義している(仮想化ソフトウェアの出荷金額ではない)。
2011年の国内仮想化サーバー市場の出荷台数が1桁台前半の成長にとどまる見込みとなったのは、東日本大震災の影響から国内サーバー市場全体の出荷台数が落ち込み、マイナス成長になることが背景にある。IDC Japan サーバー リサーチマネージャーの福冨 里志氏は「これまで国内サーバー市場全体の出荷動向に関わりなく、仮想化サーバーを適用するアプリケーションエリアの広がり、導入企業の裾野の広がりを背景に、国内仮想化サーバー市場は高成長してきた。今後も、国内サーバー市場全体よりも相対的に高い成長が見込まれるものの、中長期的には国内サーバー市場全体の成長率に収斂(しゅうれん)してゆくことになる。国内仮想化サーバー市場においてもターゲットセグメント絞り込んだ、きめ細かい戦略が不可欠になる」と説明している。
また、IDC Japanでは、2015年の国内仮想化サーバー市場の出荷台数を12万6,932台と予測している。2011年から2013年までの3年間はプラス成長を維持するものの、2014年は微減となる見込み。2014年は、x86サーバーの更新需要の谷間にあたるため、国内仮想化サーバー市場もその影響を受けるとみている。
ただし、2015年には再びプラス成長に復帰する見込み。また、2015年の国内サーバー市場における仮想化率は、2010年の16.3%から6.7ポイント伸長して23.0%になるとみている。なお、「仮想化率」とは、国内サーバー市場全体のサーバー出荷台数に占める仮想化サーバーの比率を表している。
また、2015年の国内仮想化サーバー市場の出荷額は1,413億400万円になるとみている。2010年~2015年の年平均成長率はマイナス0.9%となる。1台当たりの価格が高いメインフレームやRISCサーバー&IA64サーバーを中心とした市場構造から、x86サーバー中心の市場構造への転換が、国内仮想化サーバー市場においても予測期間を通して進行することが背景にある。2015年の国内仮想化サーバー市場におけるx86サーバーの出荷額構成比は、2010年の30.6%から12ポイント上昇して42.6%になる見込み。