『台風12号で災害列島見直しへ』求められる災害に強い国土造り=犬丸正寛

2011年9月4日 20:43

【今日の出来事&マーケット】

■「コンクリートから人へ」の見直し急務

  台風12号が週末に列島を襲った。最初は関東直撃かと思われていた。方向転換して四国、近畿に集中豪雨をもたらした。NHKの報道では亡くなられた方は11名、行方不明者25名という。大惨事である。

  台風が日本に来るのは今に始まったことではないものの、気になるのは、年々、被害の規模が大きくなっていることだ。とくに、降雨量が半端でない。今回も、わずか数日の間に1800ミリに達したところもあったようだ。テレビ中継でも、水害に見舞われた方が、「経験したことのない雨」と、そろって口にされている。

  これまで、安定した降雨に恵まれ、緑いっぱいの日本は美しき国であった。しかし、これほどの豪雨に見舞われると、もはや、「熱帯」であり、「アマゾン」のようである。

  根本的に災害対策を考える必要がある。人の住める場所を改めて見直す必要があるだろう。筆者は過疎地の出身である。少ない住人のために大々的な治水、災害対策を求めることには無理があるだろう。故郷は誰にとっても大切。しかし、前提条件となる「自然」が変わってしまった。列島地図を精査して安全に近い地域、場所を選び出し、そこには集中して安全対策を講じることが求められるのではないか。

■「建設株」の見直し機運が台頭

  今年は東日本大震災に見舞われた。津波に襲われたところには住むことはできない。津波だけではない。台風による洪水で家が流され、土砂崩れで家屋が押しつぶされた。これからも異常な降雨量が続くことになれば安全な場所に移るより仕方ない。

  政権を取った民主党は、「コンクリートから人へ」を打ち出してきた。しかし、今、これだけの災害に見舞われていることから政策は見直す必要があるのではないか。「人のためにコンクリートは大切」なのだ。

  長らく低迷してきた「建設株」に、今回の東日本大震災と毎年発生する洪水によって、見直し機運が台頭するものとみられる。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)

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