ブラザー工業、ヘッドマウントディスプレー「エアスカウター」を事業化
2011年8月24日 23:54
ブラザー工業は24日、ヘッドマウントディスプレー「AiRScouter(エアスカウター)」の事業化を決定したと発表した。
「AiRScouter」は、シースルー型のヘッドマウントディスプレー。光源部に高精細の液晶パネルを採用し、光源部からの画像をハーフミラーで反射させて目に投射する。「これにより、あたかも目の前に半透明なディスプレーがあるかのような感覚で、実際の視野に重ねて、パソコンやスマートフォンなどから出力された画面を見ることができる」と同社は説明している。
特長は、画面を見ながら両手で作業ができるとともに、情報を確認するために移動したり、目線を移したりする必要がないため、作業効率が向上することや、実際の視野を妨げることなく画面を確認できるため、作業の確実性が向上するとともに、安全性の確保もできること。
加えて、1m先に16インチのフルカラー画面を見る場合と同様の視認性を実現している。また、12ポイントの細かい文字まで視認でき、マニュアルなどの文書確認にも適しているという。
さらに、小型で、ディスプレー部分が約64gと軽量。また、メガネフレームの材質にチタンを採用することで、全体(ディスプレー・メガネフレーム・ケーブル)の重量も約106gに抑えている。
代替品として16インチの一般的なディスプレーを想定した場合、それに比べて電力消費量が約20分の1であり、環境負荷の低減にも貢献する。
「AiRScouter」は、これらの特長により、作業の複雑化や多様化によりマニュアル等の確認が必要な工場での機器組立や修理・メンテナンスサービス現場、倉庫での商品・部品ピッキングなどの作業現場におけるニーズを見込んでいるという。
同製品は、NECの現場業務向けウェアラブルコンピュータ端末「Tele Scouter(テレスカウター)」のディスプレーとして、既に採用が決定している。今秋から国内販売子会社であるブラザー販売を通じて、NEC向けに出荷を開始する。
今後、ブラザー販売において、システム開発・構築会社を対象に営業活動を開始し、工場での組立作業支援をはじめとする産業用途での販売拡大を目指す。