【銘柄診断】カルビーは連日の最高値も引けにかけては値を崩す

2011年8月24日 17:35

  カルビー <2229> は24日、90円高の3680円まで上げて連日の上場来高値更新となったが、引けにかけて値を下げて60円安の3530円と反落した。同社株は、8月3日に発表した今3月期第1四半期(1Q)決算が、東日本大震災の影響で減収・大幅減益となったことで下ぶれたが、生産はすでに震災前の水準を回復、3月通期純利益は、期初予想通りに60億円(前期比41%増)と連続過去最高を予想していることから、直近IPO(新規株式公開)人気を高めて買い増勢となった。

  IPO時から業務・資本提携している米P&Gが、IPOに対応して持株比率維持のために株式を買い増すとの思惑が根強く続いていることも、材料視されている。

  同社の1Q業績は、震災により同社4工場が被災し生産を停止、復旧活動・生産再開を進めたが、この間、他工場の代替生産は、定番商品に絞ったことから売り場が不活性化、店頭での販促活動も自粛した影響が大きく出て、前年同期比8%減収、53%経常減益、64%純益減益と落ち込んだ。

  ただ生産そのものは、6月に震災前水準まで回復したことから、この1Qの落ち込みを埋め、第2四半期累計・通期業績は期初予想をクリアできるとして、通期純利益は、連続の過去最高更新を見込んでいる。

  株価は、大震災発生の3月11日にIPOし、初値を公開価格と同値の2100円でつけ、2000円台央の中段もみ合いから3390円まで買い進まれ、1Q決算悪で売られた2893円から最高値まで急伸した。最高値更新で上値シコリが一掃されており、逆行高展開をサポートしよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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