【銘柄診断】ザインエレクトロニクスはS高、自己株式取得で赤字業績・無配転落をカバー

2011年8月22日 16:39

  ザインエレクトロニクス <6769> は22日、1万円高の6万4200円まで買い進まれてストップ高、3営業日ぶりに急反発し、8月9日につけた年初来安値4万9300円から底上げを鮮明化した。

  前週末19日大引け後に自己株式取得を発表、今12月期業績の下方修正・赤字転落、無配転落をカバーし、下げ過ぎ修正期待の買い物を再燃させている。自己株式取得は、ストックオプションとしての新株予約権発行や潜在的なM&Aなどの機会に対応する場合に、株式の希薄化を抑制する目的で実施するもので、上限を4000株(発行済み株式総数の3.2%)、3億円、取得期間を8月22日から9月22日までと予定してしいる。

  一方、同社の今12月通期業績は、6月に下方修正され、純利益は、期初の6億1600万円(前期比2.8倍)の増益転換予想が、7億9100万円の赤字(前期は2億1900万円の黒字)へ急続落が予想された。テレビ市場の激変で4倍速テレビや3Dテレビなどのハイエンド製品の出荷が減少し、同社のテレビ向けLVDSや表示制御用LSIが、期初予想より5割減少したことが要因となった。このため年間配当は、期初予想の250円(前期実績600円)から無配転落へ減配された。

  株価は、昨年10月にジャスダック市場の新株価指数「JASDAQ-TOP20」の構成銘柄に採用されたことで人気化、今年1月に年初来高値13万5100円まで買われたが、東日本大震災発生に業績減額、赤字・無配転落と実態悪も続いて安値を追った。PERでは投資採算問題外となるが、PBRは0.5倍と下げ過ぎを示唆しており、自己株式取得でなお引き戻せるか、強弱感の対立が続くことになろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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