電通、英アドネットワーク会社を子会社化:欧州でネット広告強化
2011年8月17日 10:41
電通は16日、アドネットワーク事業を手掛ける英アドジャグ(AdJug)の株式80%を取得すると発表した。ネット広告事業の強化と欧州市場での事業拡大を狙う。
アドジャグは2007年の設立で、2010年の売上げ総利益は1,130万ユーロ(約12億4,600万円)。複数のネット広告媒体の広告枠を束ねてネットワーク化し、ひとつの商品として販売するアドネットワーク事業と、ネット広告の買い手と売り手が入札で売買を成立させる市場を提供するアドエクスチェンジ事業を手掛ける。
電通は、海外事業やネット広告事業の拡大を進めており、2010年1月には米国の総合デジタル・マーケティング会社イノベーション・インタラクティブ、2011年2月には米デジタル・クリエーティブ・エージェンシーのファーストボーン・マルチメディア、2011年6月には英独立系デジタル・マーケティング・エージェンシーでSEM(検索エンジン・マーケティング)領域に強みを持つステーキ・グループを買収するなどしている。
電通は、アドジャグを10年1月に買収したイノベーション・インタラクティブ内の技術会社イグニッションワンの傘下とし、欧米地域で進める検索・ディスプレイ・モバイル・ソーシャルメディア等のネット広告を統合的に管理するプロジェクト「デジタル・マーケティング・スイート」(DMS)に、ユーザーの関心や行動に基づいてリアルタイムで広告クリエイティブをカスタマイズするアドジャグのテクノロジーを統合する。
今回の株式取得による2012年3月期業績に与える影響は軽微という。