4-6月期の世界スマホ市場:アップルが初めて首位、ノキアは3位に後退
2011年8月5日 15:29
米調査会社IDCが4日発表した四半期別の世界スマートフォン市場の調査結果によると、4-6月期の出荷台数は前年同期比65.4%増の1億650万台だった。メーカー別では、米アップルがフィンランドのノキアを抜き、初めて首位となった。
ベンダー別でトップとなったアップル(Apple)は、出荷台数が前年同期比2.4倍の2,030万台(シェア19.1%)だった。IDによると、アップルの成功は、200カ国以上で200社以上のキャリアを通じて提供されていること、製造キャパシティの増強、新興市場で個人・法人ともに需要が堅調なことだという。アップルは、単独四半期での出荷台数は、ノキアの過去最高である2,810万台を超えていないが、スマートフォン市場での勢いを見れば、いずれこの記録も塗り替えることは確実とIDCは指摘している。
第2位は、韓国のサムスン電子(Samsung)で、出荷台数が同4.8倍の1,730万台(シェア16.2%)だった。トップ5のベンダー中で増加率は最大だ。IDCによると、旗艦モデル「Galaxy S」が世界的に人気を集めたことが急成長の要因となった。また、製品のリリースとアップデートのリズムが一定していることも貢献しているという。
第3位はノキア(Nokia)で、出荷台数が同30.4%減の1,670万台(シェア15.7%)だった。IDCの携帯電話市場調査では初めて首位の座から陥落した。
第4位はカナダのリサーチ・イン・モーション(RIM)で、出荷台数が同10.7%増の1,240万台(シェア11.6%)だった。出荷台数の伸び率はトップ5のベンダー中で最低だった。IDCによると、同社は今年に入ってから新モデルのリリース数が限られており、出荷したスマートフォンの大半は型が古い廉価なモデルだった。これによって新型モデルを多数投入した他社にシェアを奪われたという。また、多数の競合メーカーが同社の牙城であるビジネスユーザーをターゲットとしていることもシェアの押し下げ要因となっている。
第5位は台湾のHTCで、出荷台数は同2.7倍の1,170万台だった。3D対応ディスプレイを搭載した端末など、新モデルを複数投入したことが貢献したという。
IDCのワールドワイド・モバイル・フォン・トラッカー、シニアアナリスト、Kevin Restivo氏は声明で「スマートフォン市場では圧倒的なリーダーがいないため、トップ5のベンダーは簡単に入れ替わる可能性がある」と指摘している。
2011年通年に関してIDCは、スマートフォン市場が前年比55%増の成長率になると予想している。
同社のモバイルフォン・テクノロジー・アンド・トレンドチームのRamon Llamasシニアアナリストは声明で、「上半期は、スマートフォン市場の堅調な成長が示された」「下半期には、新型のフラッグシップモデルが登場し、ユーザー体験も一新されるだろう。これによって、スマートフォンは堅調な成長を保つ」と述べている。