脳波で自動車の停止距離を短縮

2011年8月4日 11:00

  eggy 曰く、

 ベルリン工科大学は、脳波を使ってブレーキをかけるシステムを開発したとのこと (BBC News の記事本家 /. 記事doi: 10.1088/1741-2560/8/5/056001 より) 。

 この実験では、頭皮に電極を取り付けた実験参加者 18 人に自動車運転シミュレーションを行わせ、ランダムに鋭くブレーキをかける前方車両から 20 メートルの車間距離を保ってそ走行するよう指示した。同システムは脳波を読み取って意思を外部出力する技術を使用しており、ブレーキをかけようとする運転者の意思を読み取って車を停止させることができる。結果、運転者が実際にブレーキに踏み込む 1/1300 秒前に車を停止させることができ、100 km/h の場合でブレーキ距離を 3.66 m 縮めることができたとのこと。脳波技術は既に、麻痺患者がコンピュータや義肢、車椅子を制御するのに使用されているが、ブレーキをかけるのに使用されたのは今回が初めてとのこと。

 だが路上で実際使用されるにはまだまだ道のりは遠そうだ。運転者が被らなくてはならない頭をすっぽり覆うヘルメットのような脳波装置には、導電性ゲルに覆われた電極が 64 個も取り付けられている上、運転中はじっとしていなくてはならない。だが非常停止を行わなくてはならない場合など、常にじっとしていることは不可能に近い。また、装置が運転者の脳波を読み違えて不必要にブレーキをかけてしまうような間違いは絶対に避けなくてはならない。研究者らはさらなる研究を行う必要があると述べている。また最終的には、既に自動車の衝突回避システムに採用されているレーダーやレーザーと組み合わせて、この脳波技術を自動車産業で活かせるようにすることが目標であるとのこと。

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