国内ビジネスPC:平均利用年数は長期化、「低価格」でかつ「保守対応」と「高性能」が求められる=IDC

2011年8月3日 14:48

 IDC Japanが3日発表した国内ビジネスPCに関するユーザー調査の分析結果によると、PCの平均利用年数は長期化し、「低価格」でかつ「長期間の製品保守対応」と「高性能」が求められているという傾向が見られた。

 同社によると、PC製品に対する期待に関しては、過去3回の調査(2009年4月、2010年1月、20010年7月)と今回調査(2011年4月)のいずれも「安価な製品の提供」が第1位で、価格に対する要求が高い割合を保っている。

 しかし、2009年4月の調査では低価格を要望する割合が25.3%だったのに対して、今回調査では18.0%まで減少。代わって「長期間の製品保守対応」「省電力対応」「高性能な製品」などに期待する割合が上昇した。「ある程度の安さを求めつつ、長く安定して使用できる省電力対応の製品が求められている」とIDCは分析している。

 また、「Windows 7導入済み」企業の割合は23.2%と、前回調査(2010年7月)の9.7%を大きく上回った。IDCではユーザー調査の結果から、2011年年末のWindows 7の導入率は約30%程度になると予測している。

 IDC Japan PC、携帯端末&クライアントソリューション シニアマーケットアナリストの渋谷寛氏は声明で「今回の調査結果から、2011年は企業でのWindows 7導入率上昇により、PCの買い替えがより促進されると考えられる。クラウド、仮想化などの買い替え促進ドライバーの影響によって、ビジネスPC市場は拡大基調にある」と説明している。

 一方、デスクトップPCの利用年数は4.6年、ポータブルPCは4.1年となり、それぞれ2年前に実施した2009年4月の調査と比べて、デスクトップPCは0.4年、ポータブルPCは0.5年利用年数が伸びた。

 渋谷氏はこれについて、「PCのコモディティ化とPC市場の成熟化は進んでおり、平均使用年数も長期化している。これを打破するために、PCベンダーは機能や技術での差別化から脱却し、サービスやマーケティングで他社との違いを際立たせるブルーオーシャン戦略を考案する事が重要である」と指摘している。

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