日産、EV「リーフ」から住宅へ電力供給するシステムを公開

2011年8月2日 19:25

 日産自動車は2日、ゼロエミッション社会の実現に向けた包括的な取り組みの一環として、EV「リーフ」に搭載している駆動用のリチウムイオンバッテリーから一般住宅へ電力供給するシステムを、同社のグローバル本社前に建設された積水ハウス社の「観環居」で公開したと発表した。

 同社は、「早期にシステムの開発や系統電力との連携方法などについての検討を実施し、開発・販売に関心を持つ幅広いパートナー企業と連携しながら、2011年度内の販売開始を目指す」とコメントしている。

 今回のシステムは、一般住宅の分電盤に直接接続し、コネクターをリーフの急速充電ポートへ繋ぐことで、リーフに搭載している駆動用の大容量リチウムイオンバッテリーに蓄えた電気を住宅へ供給することを可能とするもの。また、コネクターはグローバルに使用実績があり、汎用性や安全性、信頼性の高いCHAdeMO協議会の急速充電器プロトコルに対応している。

 同システムを使用することで、停電時や電力が不足する時間帯などに備え、リーフの駆動用リチウムイオンバッテリーを家庭用の蓄電池として活用することが可能となる。バッテリーの蓄電能力は24kWhと大容量であるため、一般家庭の約2日分の日常使用電力を賄うことができるという。

 さらに、夜間電力や再生可能エネルギーである太陽光で発電した電力を使ってリーフに充電し、蓄えた電気を日中の電力需要が高まる時間帯に使用することにより、家庭への安定した電力供給やピークカットの効果も期待できる。

 また、同システムは車両から電力を供給するだけではなく、車両への充電も行うことが可能で、「現在日産リーフにお乗りいただいているお客さまも使用することができる」と同社はコメントしている。

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