森ビル、竣工予定の開発事業に都市ガスによる自家発電システムを採用
2011年8月1日 11:00
森ビルは28日、今後竣工予定のプロジェクトにおける非常時の電力供給のさらなる強化を目的とし、2013年竣工予定の「虎ノ門・六本木地区第一種市街地再開発事業」において、停電時に都市ガスによる自家発電で電力を供給し、入居企業の通常業務を継続可能とする非常用発電システムの導入を決定した。
「虎ノ門・六本木地区第一種市街地再開発事業」は、東京地下鉄南北線六本木一丁目駅および日比谷線神谷町駅付近に位置する、施行区域約2.0haの再開発事業で、地上47階(塔屋1階)・地下4階の超高層の複合棟(3から24階が住宅、25から47階がオフィス)を中心に、敷地南側には地上6階・地下2階の住宅棟を配置している。
一般的なオフィスビルの非常用発電設備の電力供給は、避難用照明や換気、消火設備などの保安負荷のみを対象としているが、同社が導入を決定した非常用発電システムは、オフィス執務室内のOAコンセントや照明、空調など専用部への電力供給も含め、想定最大使用電力の約85%を供給することができる。さらに、六本木ヒルズと同様に災害に強い中圧導管による都市ガスを利用しており、万が一ガス供給が停止した場合でも重油貯蔵タンクの増強によって同量の電力供給を継続することができるという。
今回、非常用発電システムの導入が決定された背景には、東日本大震災の影響によって、電力不足の懸念と企業の事業継続計画(BCP)への意識が高まっていることが挙げられる。同社が実施した「東日本大震災後のオフィスニーズとBCPに関する意識調査」においても、耐震性能や非常用発電設備の有無を重視する意見が急増しているという。