楽天、独EC大手を買収 ドイツ市場に参入

2011年7月28日 19:09

 楽天は28日、ドイツ大手EC事業者Tradoria(トラドリア)社の株式80%の取得を完了し、子会社化したと発表した。ヨーロッパ地域においては、昨年のフランス市場に続く2例目のEC事業での参入となる。

 トラドリア社は、2007年に設立され、楽天が運営するインターネット・ショッピングモール「楽天市場」と同様に、主に中小規模の店舗を対象としたマーケットプレイス事業をドイツで展開している。現在、出店店舗は約4,400店を超え、800万点にのぼる家具、ファッション、アクセサリーをはじめとした幅広い商材を取り揃えている。出店店舗に対しては、月額定額費用と売上に応じた従量課金モデルに基づき、インターネット・ショッピングに必要なウェブ制作、決済サービス、店舗向けのトレーニングセッション、イベント等の専門的なサポートサービスを提供している。

 同社によると、ドイツは、ヨーロッパ地域において最大の6,100万人のインターネット利用者を誇り、2010年度の同国EC市場は、同地域で2番目の規模となる200億ユーロ(2兆2,400億円) にのぼるという。2011年度EC市場は、12%の成長率で拡大することが見込まれ、2014年には370億ユーロ(4兆1,440億円) を超えると予測されている。

 同社は、「楽天とTradoriaは、中小企業や個人事業主をインターネットによってエンパワーメントしていくという共通の企業理念を掲げ、またB2B2C型インターネット・ショピングモールの運営等、様々な点で親和性が高く、楽天が培ってきたEC事業における先進的なサービス機能や経営手法のノウハウをTradoriaに取り入れることで、ドイツの消費者により快適で、楽しいインターネット・ショッピング環境を提供していく」とコメントしている。

 また、同社の子会社でフランスNo.1のECサイトを運営するPriceMinister社との協業を検討していくとともに、将来的には、アジア地域、北米、南米等、同社がすでに展開している各国・地域におけるECサイトとの連携も予定しているという。

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