ビル・ゲイツ氏の慈善団体、過去 10 年の教育分野への資金援助の失敗を認める
2011年7月28日 10:30
eggy 曰く、
世界最大の慈善基金団体、ビル & メリンダ・ゲイツ財団は、2000 年より教育分野に多額の資金援助を行ってきたが、成果が出なかったことを認め、今後の援助のあり方を方向修正するとのこと (The Wall Street Journal の記事、本家 /. 記事より) 。
2000 年以降、財団は 50 億ドルを教育奨学金として融資し、2004 年には学生数の少ない学校を奨励して、1 億ドルを投じてサンディエゴ、デンバー、ニューヨークなどの都市に 20 余りの小規模な高校を創設すると発表した。だが結果は期待を下回り、大学に進学する確率は 10 % 程度しか上がらず衝撃的な影響を及ぼすまでに至らなかった。この結果を受け、ゲイツ氏は行政が教育に支出する経費は年間で 6 千億ドルであるのに対し、慈善団体が教育に出資している額は 100 億ドルにも満たないとし、慈善団体に期待しすぎてはならないと論じている。また過去 10 年の慈善事業が結果を出せなかったことから、今後は学校レベルで出資するよりも学校教育に関する研究に出資するのだという。財団は今後 5 年間で 3 億 350 万ドルを投じて、教室のマネジメント・明確な目標・生徒によくある間違いに関する分析と指導方など、効果的な教育方法を体系的に学校教育に活かせるかどうかの調査を行うのだそうだ。 7 都市の 3,000 の小学校で行われる 13,000 の授業を録画し、クラスが本題に集中するまでのスピード、生徒のやる気や集中力を観察したり、直接生徒に質問することでクラス運営に効果的な方法に関する情報を得るのだという。
だが、教師に参加してもらうには「現状維持」を望むであろう教職員組合を説得しなくてはならない。プロジェクトに参加することで「教師失格」のレッテルを貼られる可能性もあるため、教師らが怖じ気づくのではないかの不安もあるようだ。それでもゲイツ氏は「プロジェクトに参加する地域の先生方の多くに、この (プロジェクトに参加した) おかげでもっと良い仕事ができるようになったと言って貰えるのが、我々の夢である」と語っている。
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