ルミオテック、有機EL照明器具2種類を発売 量産販売は世界初
2011年7月27日 22:14
照明⽤有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)パネル専業の「 Lumiotec(ルミオテック)」は27日、9月1日から、有機ELパネルを⽤いた照明器具の販売を開始すると発表した。販売するのは、ポータブルタイプと卓上タイプの2種類。量産の有機ELパネルを組み込んだ照明器具の商業販売は世界で初めて。同社は販売網の構築も進めていく考えで、国内だけでなく、欧州を中⼼に海外へも拡販をはかっていく方針。
今回市場投⼊するのは、どこへでも持ち運び可能な「HANGER(ハンガー)」カラー別8タイプと、卓上⽤の「VANITY(バニティー)」ホワイト1タイプ。ともに調光機能付きで、デザイン性に優れ、豊かな⽣活空間を演出する。価格は、コントローラーと AC/DC アダプターが付いて、ハンガーが3万5,000円で、バニティーが5万5,000円。初年度売上台数は、ハンガー3,000台、バニティー1,000台を⽬指す。
同社は拡販に向け、国内および海外において、出資会社の販売網を活⽤した販売拠点の構築に乗り出すほか、デザイン⽀援で提携関係にあるイタリアのデザイン会社「トライアンフ・デザイン・アンド・コンサルティング社(Triumph Designand Consulting Co., Ltd.)」など、複数社と販売提携していく⽅針。さらに、ホームページ(HP)に、新たにイタリア、フランス、スペインの3ヵ国語版を追加し、担当者も増員して欧州を中⼼にした販売を強化。また、この販売網を活⽤して、今年1⽉から出荷を始めている照明⽤有機ELパネルの販売も⾏っていく予定。
同社は今春、イタリア・ミラノで開催された世界最⼤規模の国際家具⾒本市「ミラノ・サローネ(Salone Internazionale del Mobile)」に、照明⽤有機ELパネル各種を出品、斬新なデザイン空間を提⽰して好評を博した。今回市場投⼊するHANGERとVANITYは、その際、特に商品化の要望が多かったものの⼀つ。
両商品は販売開始に先⽴ち、8⽉1⽇から三菱重⼯業本社ビル2階のショールーム「Mʼs Square(エムズスクエア)」(8⽉11〜22⽇は休館)に展⽰される。来場者は、イタリア⽣まれの次世代型照明器具に直に触れることができる。
ルミオテック社は照明⽤有機ELパネルの事業性検証会社。三菱重⼯業、ローム、凸版印刷、三井物産などが出資して2008年5⽉に発⾜した世界初の照明⽤有機ELパネルの専業会社で、これまでトレードオフの関係にあるとされてきた、⾼輝度化と⻑寿命化を両⽴させる素⼦構造の開発や、材料の利⽤効率を格段に⾼めた⾼速の⼤型リニア蒸発源式インライン成膜装置の実現などを受けて、山形県⽶沢市に量産ラインを構築、今年1⽉から照明⽤有機ELパネルの量産出荷を⾏ってきた。