2011年の国内タブレット出荷台数、前年比3倍の291万台に=矢野経済研究所
2011年7月27日 14:20
矢野経済研究所は27日、2011年度の国内タブレット端末の出荷台数が、前年比約3倍の291万5,000台に拡大するとの見通しを発表した。
同社の「タブレット市場に関する調査結果 2011」によると、夏季商戦まではモデル数が少なく、一部メーカーの製品に人気が集中している。年末商戦に向けては通信事業者のほかに、パソコンメーカーやAV機器メーカーの製品が加わる見通しという。
販路別では、通信事業者ブランドが220万台(約75%)と高い割合を占め、その他メーカーブランドが71万5,000台(約25%)と予測している。モデル別出荷台数は、3G内蔵モデルが123万5,000台(約42%)、WiFiモデルが168万台(約58%)と予想。WiFiモデルは「モバイルWiFiルーター」とのセット販売も見込まれ、ネットブックに替わる商材として扱われる見通し。
ハードウェアに関しては、これまではスマートフォンと類似した構成だったが、今後はパソコン系OS搭載モデルの増加、3DやHD動画、ゲーム対応を前提とした高性能半導体の搭載、ディスプレイサイズの多様化が見込まれ、次第にスマートフォンとの棲み分けが進むと予想している。また、今後は個人ユーザーに加え、法人ユーザーの利用が増加するという。
今年度以降の市場規模の見通しについては、2012年度は、出荷台数が前年比55.7%増の454万台、2013年度には同32.6%増の602万台に拡大すると予想している。
また、2010年度の出荷台数は96万6,000台だった。モデル数が限定されていたことに加え、タブレット向けのアプリケーションやコンテンツ配信環境も整備段階にあることから、先進ユーザーへの販売が主体となった。
■世界市場でも2011年は前年比約3.2倍の6,627万台に拡大
一方、世界市場では、2011年の出荷台数が前年比約3.2倍の6,627万台となる見込み。メーカー各社はまだ手探りの状態にあるが、今年から来年にかけては様々なOS、チップセットが登場し、スマートフォンとの棲み分けや用途の開拓が進むことで、市場は順調に拡大する見通しという。
2012年は出荷台数が前年比58.9%増の1億530万台、2013年は同35.1%増の1億4,230万台、2013年は同27.4%増の1億8.126万台、2015年には同22.3%増の2億2,168万台になると予想している。
今回の調査では、タブレット端末を下記のように定義している。
(1)アプリケーションをインストールして機能拡張、カスタマイズが可能な端末
(2)インターネットブラウザを搭載
(3)パソコン、携帯電話等との連携が可能
(4)アプリケーションの開発環境がオープンプラットフォーム(自由に開発出来、市場に参入可能)となっている
(5)5.0 インチ以上(主に5.0 インチ、7.0 インチ、8.9 インチ、10.1 インチ)のディスプレイを搭載
(6)スマートフォン向けOSあるいはパソコン向けOSを搭載