震災後、加速した生活者の変化を捉えたマーケティングモデルを開発
2011年7月27日 11:00
博報堂は、東日本大震災をきっかけに、大きく加速した生活者の意識・行動変化を捉えた新しいマーケティングモデル『エールマーケティング TM』を開発した。
東日本大震災を機に、生活者の『消費意識』『情報行動』『価値観』の変化が加速している。『消費意識』においては、自粛による経済停滞を避けようという動きや、被災地を応援したい気持ちから、消費することが社会をつくるという意識が鮮明になり、『情報行動』では、急速に広がるスマートフォンの普及と共に、TVとソーシャルメディアの両方から情報を得る行動が定着するなど、情報収集及び発信のリテラシーが高まっているという。さらに『価値観』では、博報堂生活総合研究所が6月にまとめた「震災前後の生活者変化レポート」で、'これからのライフスタイルに対する力点'として、「そこそこの満足をよしとする生活」が前年と比べて6.6ポイント増の82.1%、「人に役立つ行動をする生活」が同5.3ポイント増の71.1%となるなど、豊かさをとらえなおす動きが見られる。
今回開発した『エールマーケティング TM』では、商品の購入やサービスに対価を払う"消費"そのものが、社会を応援することにつながっているポイント(=エール性)を「発見」。エール性を生活者に明示し、販売を促進するプランを「設計」。生活者が参加したり、情報を拡散しやすくする仕組みを「開発」。という3つのステップで、戦略立案と具体的な施策開発をおこなうという。
博報堂では、1990年から「社会性消費」というキーワードで、"消費する"ことの社会的な意味を生活者が感じとりつつあることを提示してきた。今回の震災をきっかけに加速している生活者の変化は短期的なものではなく、中長期的に継続するものと考え、博報堂では『エールマーケティング TM』に基づいた提案を得意先企業に進めていく。