血液検査によるアルツハイマー病の早期発見が可能に

2011年7月26日 10:00

  danceman 曰く、

 オーストラリアの研究チームの発表によれば、血液検査を行うことでアルツハイマー病を早期に発見することができるとのこと (Singularity Hub の記事本家 /. 記事より) 。

 オーストラリアの国立研究機関 CSIRO の Smantha Burnham 氏率いる研究チームが Alzheimer's Association International Conference で発表したところによれば、273 人の患者に血液検査を行ったところ、それまでに知能検査や脳の画像診断で既にアルツハイマー病と診断されたことのある患者のうち 83 % を正確にアルツハイマー病と診断することができたという。また、アルツハイマーでない人のうち 85 % をそうでないと正確に診断することができたのだそうだ。血液検査で計測される血液中のタンパク質やホルモン 9 つのうち、ベータ・アミロイドタンパク質と呼ばれる、アルツハイマーの症状に特徴的なプラークを形成するタンパク質を含め、他 5 つがアルツハイマーと関連することが分かっている。残り 3 つに関しては、アルツハイマーとの関連性が明らかでないため、アルツハイマーを予知するのに効果的であるかの検証が済むまでは情報公開はしないという。

 もちろん脳 PET による画像診断や脳脊髄液検査を通して正確にアルツハイマーの診断を行うことができるが、手頃であるかと言えばほど遠い。また、患者がアルツハイマーの検査を受けるのは症状が出始めてからのことが多い。だがアルツハイマーは症状が出る 10 年前から発症するため、定期的にアルツハイマーの検査を受ける必要があるという。だがいちいち煩雑な検査などやってはいられないだろう。一方、血液検査なら手頃に行うことができるため、定期的な検査も可能となる。今後、アルツハイマーの早期発見、早期治療に一役買うことになりそうだ。

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