ロシアの電波望遠鏡人工衛星、高度34万キロメートルの軌道上で観測の準備中

2011年7月23日 15:30

 7月18日に打ち上げられたロシアの電波望遠鏡人工衛星「RadioAstron(Spectrum-R)」が、軌道上で正常に動作していると発表された(ロシア連邦宇宙局のニュースリリースBBC Newsの記事本家/.)。

18日午前6時31分(モスクワ標準時)にカザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げられたRadioAstronが、高度34万キロメートルの軌道に到達したのは同日10時6分。軌道到達後、反射鏡を除くすべての構成要素が展開済みとのこと。今後3ヶ月程度で観測の準備を進めていく。

RadioAstronのアンテナは直径10メートル。地球上にある多くの巨大電波望遠鏡よりも小さいが、受信した電波を地球上の電波望遠鏡が受信したデータと組み合わせることで、宇宙最大の電波望遠鏡を構成することになる。つまり、ほぼ地球と月の距離に相当する直径の電波望遠鏡となり、想像を絶する解像度の画像が取得できるとのこと。RadioAstronの目的の1つは地球から5,900万光年離れた銀河、M-87を詳細に観測することだ。M-87の中心には超巨大なブラックホールが存在すると推定されているが、RadioAstronによる観測で証明されることが期待されている。

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