ゼンショー、焼肉チェーン店94店で国産牛肉の放射線検査を開始

2011年7月21日 18:05

 ゼンショーは21日、グループ傘下の焼肉店94店舗で使用する国産牛肉のうち、同社が指定する地域産の牛肉について、今後、自社で全ロットの放射線検査を実施すると発表した。「7月20日店着分以降、すべて検査済みの国産牛肉を提供している」と同社はコメントしている。

 放射線検査を行うのは、焼肉チェーン店「ぎゅあん」、「いちばん」、「宝島」全94店舗で提供する国産牛肉のうち、同社が指定する地域産の国産牛肉。同社によると、先週から国産牛肉の検査体制の整備を開始し、7月20日以降の店着分から、すべての牛肉について検査済みの商品を提供できるようになったという。

 「牛肉そのものから放射性物質が検出されたという報告がない地域についても、ゼンショーではお客様により安心して召し上がっていただくため、牛肉が倉庫に入荷した時点で全ロットを検査し、安全を確認した個体識別番号の牛肉だけを店舗に配送する。また、それ以前に店舗に入荷した当該地域産牛肉の在庫についてもいったん倉庫に引き上げて全ロットを検査し、安全を確認したものだけを使用する」と同社はコメントしている。

 一方、これまで同社では、放射能汚染の心配される北関東の野菜について、3月28日から自社で週3回の放射線検査を開始し、6月1日からは野菜と卵について毎日検査を実施してきた。これまでの検査では異常は発見されていないものの、今後も検査を継続するという。

 ゼンショーグループでは、国産牛肉についても野菜や卵と同様、食品衛生法の暫定規制値にはよらず、少しでも異常値が出た場合は、同一の個体識別番号の牛肉の使用をただちに停止する方針。

 なお、同社が指定する地域(以下、検査対象地域)とは、2011年7月21日現在、放射性物質に汚染された稲わらが畜産農家に納入されたことが判明している青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島、新潟、群馬、栃木、茨城、埼玉、千葉、静岡、岐阜の各県。汚染された稲わらが納入された産地が新たに判明した場合、および放射性物質が検出された牛肉の産地が新たに判明した場合は、検査対象地域もそれに準じて追加するという。

 また、検査対象地域のうち同社グループの焼肉チェーンで現在使用している国産牛肉の主な産地は山形県および宮城県。焼肉店以外の業態については検査対象地域産の牛肉は使用していないという。

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