引き続き『閑散小動き相場』の展開へ=犬丸正寛の相場展望

2011年7月15日 18:47

★新総理までは見送りの展開

  来週(19~22日)も引き続き『閑散小動き相場』の展開だろう。仮に、日経平均が去る8日の場中高値1万207円前後まで買われても大きく抜くことができないと二番天井の心配がある。

  このところの出来高は依然少ない。東証1部の出来高は6月10日の24億株を最後に、それ以降は20億株割れが続いている。売買代金も1兆1000億円程度の低水準が続いている。外国人投資家の買いが大きく伝えられているもののマーケット全体を持ち上げるだけの馬力にはなっていない。

  このため、猛暑によるサマーストック銘柄も本命のビール株などを買う元気はなく、小型銘柄の「屋内消費関連株」を手がけているにすぎない。

★空売りの東京電力で1カイ・2ヤリ相場

  とくに、連日、出来高上位の東京電力 <9501> を除いてみれば、実際の商いは、さらに閑散だろう。その東京電力は最安値148円をつけた6月9日から日柄としては1ヶ月強と、まだ日が浅い。このため、安値圏で急増した空売りの買い戻しは、これからも見込めるというところとなっている。国内の腕利きの短期売買投資家には、これからもしばらく、東京電力株は「1カイ・2ヤリ」的な相場ができる有望対象だろう。

  もちろん、8月末までに総理が退陣ということになれば相場の流れはガラリと変わる可能性はある。東京電力などの空売りを支えとした銘柄は終息するものとみられる。

★円高は燃料輸入にプラスの評価も

  一方、海外要因による円高は、それほど相場に影響ないだろう。「今は日本の輸出は震災後だけに難しい状況にある。むしろ、円高による輸入燃料のコスト低減効果に期待できる」(中堅証券)との見方もあるからだ。

  7月相場も半分以上が経過。これから、夏本番で商いは益々、閑散となる。4~6月期決算発表が始まるものの、総理が電気を人質にとっているような状況では、企業経営者に増額を期待することは難しいだろう。日本の新政権誕生までは閑散相場が続く展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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